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概要

ASAP2019vol_2

― 本格的な活動のスタート 2016年4月から6月の準備期間では、まず全員参加の「2S3定活動」「C改善活動」への取組みから着手した。そして7月の「キックオフ大会」を経て、第1期の活動が本格的スタートすることに伴い「リードタイム短縮」「生産性向上」「工程内不良削減」に関する3つのプロジェクトが新たに立ち上げられた。このようにして成果創出へのステップとして設定された6つのミッションを、3年間で推進していくための活動基盤が作られた。 全員参加で活動に取組むアルメタックス社だが、矢田氏によるとスタート時、現場社員はあまり積極的ではなかったという。そこで活動活性化のための取組みとして、他社工場の見学会を実施することにした。大半の社員にとって初めての経験であったが、先進企業の生産ラインや様々な改善活動の取組みを目の当たりにして、参加者それぞれが「気づき」や新たな発見を得られたことは大きな収穫だったという。また職場環境改善のため行った照明のLED化、休憩スペースの整備も、社員のモチベーション向上に良い影響があり、改善活動はスタート1年を経過し、徐々に前向きな雰囲気に変わっていった。- 自走する活動への転換 コンサルタントの綿密な計画と熱意ある指導のもとに推進された1年目の活動では、社員の意識、行動に前向きな変化が見られ、生産性向上に向けた基盤づくりを確立することが出来た。 そこで2年目以降は、コンサルタント主導の活動から、より参加性を高めるために、自主的な活動運営に変更を行った。自走型の活動への転換に向けては、現場のリーダーである班長が管理業務や改善業務に専念できるように、係長をサポートとして配置する組織変更を行った。 これにより班長のモチベーションが向上し、職場のコミュニケーションなどにより良い影響を与えることにつながった。そしてこのポジティブな変化が自走する改善活動の後押しとなっているという。 現場で班長をサポートする係長の声としては、「班長を中心として現場がこれまでにないスピードで変化しており、数値、効果を意識した行動になってきています。この変化は2年目ぐらいから徐々に現れてきて、3年目にようやく形になってきました。自走する展開の中で班長の目線も変わって来ており、どんどん活動に引き込んでいきたいと思います」(製造課 係長 沖 伸親氏)「係長として班長、現場とのコミュニケーションのとり方など勉強することは多いですが、コンサルタントから色々なことを教えていただく中で、やるしかない、変わるしかないという気持ちが常にあります」(製造課 係長 服部 健司氏)「現場の環境、風景、やりかたが変わる中で成功も失敗もありますが、ただ変化していることが重要で、その中で能率、品質も上がっています。この変化は班長を中心に現場が変わっているからこそであって、それにつきると思います。係長の自分はそれをサポートする役目。現場からの発信で変化していることが、以前より増えている2S3定活動風景LED化で明るくなった工場社内休憩スペースの整備9