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概要

ASAP2019vol_2

―まず御社の会社概要についてお伺いできればと思います後藤 明治44年(1911年)、日本で2番目の製釘工場として尼崎に設立された岸本製釘所が当社の起源です。以降、尼崎の地理的な利便性を活かし、時代や経済情勢の変化による影響を受けながらも、今日まで釘一筋で第一線を走り続けてきました。現在は日本で使用されている釘の8割が輸入品と言われており、市場としては非常に厳しい状況にありますが、このような情勢においても、長い歴史の中で培ってきたノウハウと技術力をベースに、営業と生産が一体となってお客様ニーズに沿った製品の開発を行うことで、品質面、開発面で国内外の競合他社との差別化を図り、優位性を生み出しています。高い評価をいただいているコンクリート釘や、当社のオリジナル釘「木割れ最強釘」など、既存の釘に留まらない、釘の可能性を今後も追い求め、常に新しい製品を提供し続けていきたいと考えております。― 尼崎工場はどのように運営されているのでしょうか後藤 現在は製造部門が57名、出荷部門が8名、事務部門が15名(内11名が生産関係)合計80名の体制で運営しています。従業員は基本的に正社員での雇用となっており、専門性の高い技術を持った人で、65歳以上の方も在籍されています。雇用状況としては一時期、離職率が高く、たえず募集をかけて、新しい人に入ってもらうような状況が続いていましたが、現在はすこし落ち着いています。正社員で長く働いてもらっている人は会社としても安心して仕事を任すことが出来るので、定年以降も一部雇用を延長して働いてもらっている人もいますが、やはり将来的なことを考えて、自動化などの取組みも推進しています。― 今回の改善活動の導入の経緯について教えてください釘一筋118年の歴史と高い技術力を源泉に成長後藤 2013年為替変動以降、当社におけるOEMと国産のシェアが逆転したため、国産の生産能力アップを図るために新設備を導入することになり、それを機として工場改善プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトでは総合効率を上げること、能力アップに注力して、生産能力もかなり向上しましたが、ほぼ上限に近いところまで達成して、頭打ち・マンネリの状態になってきたため、別の視点、切り口によって、さらに能力アップが出来ないかと検討していたところ、テクノ経営から紹介された改善手法が人の行動に着目する「VPM」でした。これまでの工場改善プロジェクトでは設備効率、保全体制を中心にやってきたため、この新しい視点の改善手法に興味・関心を持ち、2017年の4月から数ヶ月間をテスト期間として、導入を検討することにしました。その上で、工場全員のベクトルを合わせるために何度も改善活動の導入について話し合い、最終的には全員の合意を経て、コンサルティングの導入を決定しました。コンサルティングの費用対効果の算出は難しいですが、当社としては導入した以上は必ず数字での成果を出すことが必要であり、文字通り不退転の決意で活動をスタートしました。中野 自分の中でのコンサルティング導入についての印象は、これまで行ってきた工場改善プロジェクトが人の行動に着目した改善活動「VPM」に対する期待オリジナル釘「木割れ最強釘」アマテイ株式会社2