ブックタイトルASAP2019vol_3
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ASAP2019vol_3
原因1 「 共有化されていない目標」 部門間のやりとりで多く見られるのが、摩擦を起こしたくないため、本当は納得していないのに発言をしなかったり、遠慮した表現にすることです。このような配慮は一見すると思いやりがある態度に見えますが、実際には明確な目標が無いため、内向きの理論で動いていて、固定観念が強く、変化を好まない受身の組織で起こることなのです。逆にトップが明確な目標を示している組織は、外向きの理論で、当事者意識があり、積極的な姿勢で、主体的に動くことができるため、部門間の言動も無意味な忖度や遠慮の無い、組織をより良くしていくための言動となるはずです。 ただトップから明確な目標が提示されていて、その共有が出来ている組織でも、そのハードルが高すぎたり、自分達が考えていることとギャップがあったりすると、結局無理な目標を会社から押し付けられたという被害者意識に陥る場合があります。このようなケースではまず活動導入初期に、ミドル層を対象にした「ワイガヤ会議」を行います。経営層が提示する会社のビジョンと、会社の現状とのギャップを認識し、そのギャップを埋めていくための計画を自分達で立ててもらいます。改革のために成すべきことは何かを明確にすることで、押し付けられた目標ではなく、自分達が納得性を持って進めていく目標へと転換する。これによって被害者意識からの脱却を図ることが可能となるのです。 原因2 「 感情的なしがらみ」 あなたの周りには過去から引きずっている「しがらみ」を断ち切ることができる人物はいますか?日本企業ではこの「しがらみ」を解消、軽減することが非常に難しいと言わわれていますが、私は「しがらみ」の解消、軽減には「自部署を知る」「他部署を知る」「お互いを認め合う」という3つのステップを踏むことが必要だと考えています。 まず初めのステップである「自部署を知る」ためには、会話ではなく対話が必要です。 対話のコミュニケーションは双方向のやりとりであり、説得ではなく納得です。よくあるのが部門間での連絡会や会議での単なる一方通行の会話をコミュニケーションと勘違いしているケースで、自部署のことは全て把握しているつもりが、本当は全くわかっていなかったという事態が起こるのはこれが要因です。自部署の本当の姿を知るには、部下と本気で向き合い、それを継続することが重要だと思います。次に2つ目のステップ「他部署を知る」ですが、社内の情報網として会議、集会、通達などのオフィシャルな場の情報共有だけでなく、昼食や休憩時などでの漠然とした他愛もない話からの違和感、個人の異常検知力、不思議発見力を生かせるような情報共有の場が重要で、部門間を越えて、思ったことを思った通りに言えるような関係づくりが必要です。 最後は3つ目のステップである「お互いを認め合う」です。各部署に課せられたミッションはそれぞれ違うのですから、部門間のやりとりで自部署の成果だけを主張するような議論では衝突が起こるのは当然です。お互い自分だけが正しいという考えに基づいた議論では「どちらかがどちらかを力づくで論破」もしくは「どちらもがこんなものだと妥協」した結論しか出てきません。部門間がこんな状態では、とても自社のことを社会に貢献する企業だと誇ることなどできないのではないでしょうか。部門間連携の第一歩は自分達とは異なる見解があるということを認めることです。自分達が正しいと考えると相手の意見は「間違い」になりますが、異なる意見があることを前提とすればそれは「違い」になります。お互いの違い、それぞれの存在価値を認めることで、相手の「承認要求」を満たし、他部門に対し「ありがとう」と言える関係性が重要なのです。3 部門間連携を阻害する「3つの他」が芽生える根本原因15