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概要

ASAP2019vol_3

 明治薬品は1948 年の創業以来、資本提携をせず独立メーカーとして経営を行う中、全国の薬局・薬店へ直接販売する直販事業と、国内外の大手メーカーとの技術、業務提携を行い医家向け、一般医薬品、医薬部外品、健康食品などの製造を行うOEM受託事業の2部門による経営を推進してきた。しかし近年では直販事業が対象にしてきた、薬局・薬店の数がドラッグストアチェーンなどの台頭により激減しており、直販部門でも生き残りをかけて、薬局・薬店だけでなく大手の卸を経由して、自社製品をドラッグストアに配架してもらう取組みを推進している。従来とはビジネスモデルが変わってきているため、現在48 億の売上の内、健食・サプリメント事業が18億、OEM受託事業が30 億という構成となっている。その中で今回のレポートの主役である生産部は、富山県で最も歴史のある富山企業団地内に3工場を擁してお01 創業時より、直販とOEM受託の2事業による経営を推進り、生産部として180人の従業員が勤務している。1976年、富山企業団地の第1号企業として設立された富山工場は、当時導入がスタートしたばかりのGMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理に関する基準)認可を富山県で始めて受けた工場であり、まだ全国でも数少ない存在であったため、多くの製薬会社関係者が見学に訪れ、その先進的な生産システムを学んで帰ったという。ミドル層の人財育成を起点に新たな成長軌道の確立に向けた企業改革「M i 活動」の取組みAC T I V I T YR E P O RT活動レポート明治薬品株式会社 都道府県別の医薬品生産金額で、2015年から2年連続でトップとなるなど富山県の医薬品産業は、全国に名だたる地域ブランドとして、その地位を確立している。江戸時代、富山藩二代目藩主・前田正甫が自ら独自の調合を行った「反はん魂ごん丹たん」を、行商によって全国に広めたことが「おきぐすり」の発祥と言われ、正甫の訓示をもとにした「先用後利」を基本理念に、真心込めて行商に励み、大名から庶民に至るまで、多くの人々の健康保持に貢献した富山の薬売りの姿は、『薬都とやま』の実現を目指す現在の富山県にも受継がれているように思われる。このような長い歴史と文化を持つ富山県の医薬品産業の中にあって、明治薬品株式会社では創業以来「より良い医薬品を通じて広く社会に奉仕する」という理念のもと、着実に歩み続け、成長の軌道を確かなものしてきた。同社では昨年創業70周年を迎える中、今後100 年企業を目指した経営を推進していく上で、ミドル層のレベルアップとボトムアップによる組織の活性化が急務との判断から、2016年から3年間の活動を推進してきた。 今回の企業レポートでは、製造業が持続可能な成長を実現するためのケーススタディとして、明治薬品が取組む人財育成を中心とした改善活動を、関係者へのインタビューと共に紹介する。健食・サプリメント事業製品低分子ヒアルロン酸&発酵グルコサミンGMP適合工場富山工場西棟JR富山駅前・富山の薬売りの銅像明治薬品株式会社・富山工場外観7