ブックタイトルASAP2019vol_3
- ページ
- 9/20
このページは ASAP2019vol_3 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは ASAP2019vol_3 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
ASAP2019vol_3
今回2016 年から行われた生産部での改善活動の取組みは、取締役 生産部長 山田 健吾氏の想いが強く反映されている。山田氏はメガファーマ出身で、2012年明治薬品に入社後、前職での豊富な経験を活かして、生産部改革の取組みを進めて来られた。山田氏は入社当時の社内の印象について、事前に社長から聞いていた状況より、もっと悪く感じたという。山田氏 私の入社当時はちょうどOEM 受託事業が伸びている最中で、仕事の注文がどんどん入ってきている状況でした。そのため担当者は委託先に対する意識が非常に強く、社内の人間を軽視しているように見えました。ただ数字的には伸びつつあったので、社内では大きな問題として認識している感じはありませんでした。しかし生産部の状況は決して良いとは言えず、実際に多くのトラブル、逸脱が発生していて、従業員の離職率もかなり高い状態でした。02 改善活動導入の背景現場からのボトムアップの意見は抑えられ、私が理想としていた「考える集団」の姿にはほど遠く、言わばイエスマンの集まりになっていたように思います。 山田氏はこの状況に対して、このままでは社員が働きやすく、誇れる会社にならないという強い危機感を覚えて、改革に向けた取組みをスタートされた。ただ当初は課員が10人程度の開発部署に責任者として着任していたため、活動範囲は限定的だった。しかし2014 年から生産部全体の責任者に任名されたことで、傘下の人員も一挙に増え、社内への影響力を発揮できる環境が整ったため、会社改革の取組みに本格的に着手することになった。その後2年ほど、山田氏は独力で活動を推進され、その取組みを支持する社員の数も徐々に増えていったが、山田氏自身は改革のスピードがなかなか上がらないことに危機感を覚えており、会社の改革を早期に実現することは難しいのではとの思いを抱いていたという。 自分一人で改革を進めていくことへの限界と、同時にこれまで会社への期待を半ば諦めてしまっていた社員のマインドセットを早急に進めなければとの強い思いから、山田氏はコンサルティング会社による外部視点の導入という新たな戦略で、活動の活性化とスピードアップを図ることを決断された。そこで前職時代に付き合いのあった大手のコンサルティング会社など数社に声をかけられ提案を受けたが、いずれの会社から出てきた内容も、生産性向上をテーマにした定量的な目標を設定したものになっていたと言う。山田氏 「人は定量化できないし、評価も難しい。そういう観点から一般的な改善活動テーマである生産性向上に向けた提案になっていたのかと思いますが、弊社の状況では、まずは人財育成と意識改革を進めなければ何もスタートしないと考えていたため、自分の思いとのずれを感じていました。そこで別会社での検討を進める03 外部視点の導入による社内改革の推進中、たまたまテクノ経営さんの存在を知り、セミナーに参加しました。その後テクノ経営さんの考え方、攻め方を知るために、工場診断を受けることにしました。その結果テクノ経営さんから提案された内容は、他社と異なり、社員の心にフォーカスしたものになっていて、自分の考えていた人財育成を第一義にしたものであったことから、まずは1年間の活動を依頼してみようと思いました。その後、社長に外部視点導入の必要性を説き、コンサルティングを受けることについて承認を得ることが出来ました。弊社ではこれまであまりコンサルティング会社を使わないという企業風土がありました。今回それを開放することができたというのは非常に大きな成果だと考えています。コンサルタントの岩崎さんとは、この活動を通じて3 年間のおつきあいをさせてもらっています。驚くのは現場の管理者のことを自分達と同等もしくはそれ以上に理解してくれていることです。各人の性格を踏まえて、どのように話せ取締役 生産部長山田 健吾氏8