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概要

ASAP2019vol_4

 プロジェクト活動事務局の野崎 拓郎氏が考案した「百花繚乱」というプロジェクト名は、創業100 周年の「100」と、技術部が目指すべき姿からイメージし、現在の技術部全員の成果が、将来のミツヤ送風機の成長に結びついて花開くという思いが込められている。社内コンサルタントの役割を担い、プロジェクトの成否を分ける存在である活動事務局の野崎氏は活動スタート時から活動を推進する中、ここまで様々な苦労や葛藤があったと言う。野崎氏 改革活動の大きな流れとしては『現状把握』、『問題点の抽出』、『解決策の計画』、『解決策の実行』という4つの段階があります。まず始めの『現状把握』と『問題点の抽出』のところでは、『IDEF0』※1によって業務の基本プロセスを可視化し、『QFD』※2 によって適正品質を選択するためのデータ構築を進めました。しかし、それらの手法について、そもそも当初の我々にはほぼ知見がありませんでした。まずは事務局である私自身が活動をフォローするためにも、それらの知識を理解することに努めましたが、要領を理解し、ある程度使えるようになるまでには難儀しました。次に、『解決策の計画』の段階では、技術部の理想の姿、あるべき姿を構築し、メンバー同士で共有することが必要となりました。それにあたっては、まずは私がIDEF0で理想の業務プロセスの叩き台を作成し、それを題材として各リーダーと理想形についての議論を重ねました。そして、半年ほどの期間を経て、最終的にはシンプルな理想の姿を描くことが出来ました。その結果、『近い将来に技術部はこうなる』という姿をイメージとして掲げられるようになったので、それがメンバー全員とゴールを共05 技術部一人ひとりの成果が企業の近い将来に華々しく開花する有し、ベクトルを合わせられることに繋がったものと感じます。 私が活動を推進する立場として、意識的に行っているのは、メンバーたちのモチベーションを高めることです。というのは、この活動は通常業務と並行して取り組んでいるため、その多忙さゆえに精神的に追いやられることが少なくない筈だからです。そうならないために、日常的に本活動に対する全体の士気を高めることは非常に重要だと考えています。具体的には、毎日の朝礼での呼びかけ、日常のフォローミーティングなどに取り組んでいます。それによって、常にこの活動はアクティブ状態であり、日進月歩で前進していることを皆に意識してもらうことが狙いです。また、普段からポジティブで肯定的な言葉を意識的に使っています。本来、人は苦痛に対して鋭敏な部分があります。例えば、失敗の原因分析にあたっては、なぜ?なぜ?と思考を重ねていくと心理的にはネガティブな方向に偏りがちですが、我々が目指すゴールは否定文ではなく、肯定文で表現されます。それは『技術部があるべき姿を構築する』、『全体最適を実現する』といった肯定系の言葉です。ですから、ゴールに向かって一心不乱に突き進むためには、ネガティブな言葉や態度は足枷になるので、それらを封印し、ポジティブな言葉を使って全体の士気を高めていくことにしました。ときどき、一人で空回りして滑っていることも自覚していますが(笑)、活動を推進する立場の私が失敗すること(=滑ること)を恐れていては始まりませんので、 今回のコンサルティング導入にあたって美野輪氏は、今までやろうと思って出来なかったことを、3年間のコンサルティングを通じて全員でやるんだ、開き直ってやるしかないんだという強い気持ちを持って欲しいと思われていたとのこと。活動スタート当初社員が感じていた不信感は、活動が進む中、徐々に解消され、コンサルタントの導きのもと、ポジティブなスパイラルを形成し、設計を高度化する取組みに、技術部全員がベクトルを合わせ、変革への道を歩み始めることになった。活動ミーティング風景開発技術部 技術係 係長野崎 拓郎氏10