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概要

ASAP2020vol_1

金石工場外観鶴来工場外観電子制御ユニット 高電圧ユニット年では長年培ってきたコアコンピタンスを活かし、開発から製造まで一貫したモノづくりをするメーカーとして、浴室LED照明や浴室テレビ等の自社オリジナルな商品の展開や「環境・健康・介護」分野の電子制御にも力を注ぎながら、着実に成長への歩みを進めており、売上比率としては電子制御ユニットが43.5%、リモコンが27%、高電圧ユニットが10.3%、浴室用テレビ・LED照明が7.5%、その他が11%という構成になっている。また、1995 年に韓国・仁川に“アール・ビー・コリア株式会社”、2000 年に中国・上海に“上海燃控制器有限公司”をそれぞれ設立するなど、グローバル展開にも力を入れている。設立時は親会社であるリンナイの仕事が100%だったが、企業としての成長に向けて、徐々にリンナイ以外の仕事の比率を高めており、現在はグループ外の仕事が20 数%となっていて、この比率を今後は30%、さらには50%へと拡大していくことを目指した経営を推進している。グループ外の仕事を取るためには、個々の顧客要求に合うものを作っていく必要があるため、2005年ごろから開発要員を増やしており、現在は直接雇用で 代表取締役社長の遠藤健治氏は、同社の強みはまず「人」であり、素直で真面目な社員、風通しが良く、連帯感のある企業風土が一番の財産だという。その上で技術的には、時代の要請に応じて上手に発展させてきた歴史があり、高電圧の技術から電子制御に、最近では情報や通信など新しい技術を強化していく開発・設計力が強みであり、現場のものづくりに関しても、リンナイからのみでなく、トヨタを始めとするいろいろな改善活動に関する情報が、グループ内外の交流を通じて得られることが、強い現場づくりにつながっている。このように現場の生産性についてはかなり以前から意識されていて、改善も進んでいたがまだ手付かずの状態で残されていたのが、開発・設計部門の生産性向上だった。今後の成長を目指した経営において、グループ外の売上を伸ばしていくためには、顧客が要望する量産化のスケジュールに素早く対応できるスピードが重要で、リードタイム短縮の改善取り組みを着実に効果が現れる様に自分達のみでは強力に推進出来ないという危機意識を持っていた。今回の開発・設計部門を対象にしたコンサルティングはこの危機感から導入の検討がスタートしたという。同社ではこれまでに社内で開発・設計部門の改善に取組んだことはあったものの、改善のテクニック、効率よく進めるための方法が見つからなかったため、効率良く、確実かつスピーディーに改善を進めて行くためにはやはり専門家の力を借りる必要があると感じていたとのこと。また活動目的は活動目標をクリアすることではなく、競合社を上回るポテンシャルを身につけることであり、まず一般的なレベルの把握をし、それ以上を目指すためには何が必要かという情報は、多くの企業を指導しているコンサルティング会社が保有しており、その活用は同社にとって非常に有意義なものになるはずだという期待を寄せていたという。02 新たな成長に向けた課題「開発・設計部門の生産性向上」2割近くの開発要員が在籍している。現在社員数は全社で直接雇用550 名、派遣を入れると700 名弱。生産拠点は金石工場と鶴来工場の2工場で、金石工場は点火装置とリモコンなど、鶴来工場は電子制御ユニットと浴室LED照明などの製造を担当している。10