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概要

ASAP2020vol_1

COMPANY INTERVIEWと何処で集めて作ったものですということを明確に発信できる原料を確保しなくてはならず、工夫しながら世界中から原料を集めていますが、安全基準に沿ったものを集める必要があるため、使えるものも限られますし、当然風味や味の要求も満たしたものでなければなりません。CVSは色んな情報を持っていて、その情報に基づいたニーズが非常に高いところまでいっているので、そういうものに応えて、なおかつトレーサビリティの面から安全なものを確保していくことが、今一番の課題と言えます。CVSの拡大と共に弊社も成長してきたと考えていて、彼らの高いレベルの要請をクリアできることがある意味で会社の力なのかなという理解をしています。そして、この経験を活かして、別の角度で高水準を求められる外食関係の会社とも今少しづつお付き合いが広がってきています。元々2013年のホールディングス設立のタイミングから、パンに軸足をおきながらも、多角的に供給できるゾーンにトライアルするという方針を掲げて、現在の中計でも打ち出しており、それが今、少しづつ実を結びつつある状況と言えます。◆グローバル展開の状況についてはいかがでしょうか清水氏 海外事業に関してはまだまだ足を踏み入れた段階で、まずはインドネシアに工場を設置し、中国では合弁先の工場に設備を入れ展開しています。インドネシアを中心に、周辺のASEAN諸国に展開していく戦略で、当初インドネシアを中心にパン市場でのビジネスを展開するイメージを持っていたのですが、実際に行ってみるとインドネシアのパン市場の商品単価が非常に低いということがあって、現状ではパンより洋菓子の方に需要を見出して、カスタードクリームの展開が広がっている状況です。当社の場合パンはやはり菓子パンですが、菓子パン文化というのが今後インドネシアに定着するのかということを慎重に見極めていく必要があると考えています。◆コンサルティング導入時の課題、背景とはどのようなものだったのでしょうか丹羽氏 技術力、品質、コストという製品に求められる力の中で、技術や品質はある程度のレベルで出来ているのですが、生産段階においてコストを追求する大きなテーマ付けが少し中途半端かなと考えていました。もちろん機械化や効率化など、ポイントの作業はやっていたのですが、これを体系的に大きな筋書きで行うという整備はあまり進んでいなかったのが実態でした。このような状況下、現場の統廃合、稼働率の問題などを色々改善すべきテーマがあると考える中、先に稼働率の整備から入ってしまったため、若干現場の負荷のバランスが悪く出ている時期があり、その際弊社にとって本当に必要な生産性とはなんだろうということを考えました。その結果、現場メンバーの力量を見極め、可能性を引き出す機会をより増やす考えに至りました。まず最初は様々なコンサルティング会社のセミナーに参加し、関連する書籍も読み、実際に現場に来てもらったり、会社で打合せしたりと、色々やってみたのですが、提案としてはコンサルタント主導により、実際の現場で指導を行って、改善を進めていくという主旨のものが大半でした。もちろんある意味外部の力を借りることは必要なのですが、私が考えていたのは、コンサルタントが指導するようなことが出来る社員を自社内に育成しようということで、そういうことが実現できる当社の目線に近いパートナーを模索していました。今回のコンサルティング導入は言わば社内コンサルタント育成が大きな目的となっていたのですが、テクノ経営のコンサルタント・佐竹さんから提示されたテーマが「若手が主導する究極の現場力構築実践活動」であり、私が考えていたことと合致すると判断し、コンサルティングの依頼を決断しました。◆今回活動の対象となった生産部門の概要についてお聞かせください丹羽氏 対象となる事業所は石岡、大阪、宮城、和田山の4事業所で、石岡と大阪のラインは連続生産ラインで主にカスタードクリームの生産を担当。宮城と和田山は小規模なタイプのバッチ生産ラインでジャムの生産を担当しています。ライン単位でその役割が決まっていますが、原料はなるだけ共有できるようにしています。弊社の生産部門では石岡工場が稼動の歴史では一番古く、工場として本格的な生産をスタートした発祥の地でもあります。この地に構築した理由は、昭和30年代当時石岡が落花生の産地であったことに起因しています。◆生産部門の文化・風土についてお聞かせください丹羽氏 私が生産部門を担当するようになって5年ぐら石岡工場外観PT SONTON FOOD INDONESIA5