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概要

ASAP2020vol_2

かしせっかく社員の意識が変わっても、会社のシステムが変わらないことには、経営の成果にうまく結びついて行かないため、次の手はどう打つべきかということを清水社長と検討していた時、ちょうどタイミング良くテクノ経営のセミナー案内が清水社長に届き、2人で参加されたセミナーで大きな気付きを得ることができたという。奥野氏 現在コンサルティングをお願いしている沢柳さんが講師だったのですが、そこでお聞きした話が一般論でなく、実際の成功事例に基づいて、非常にきめ細かく、深く掘り下げてご説明いただき、自分が現場に入り、実感したことをきちんと整理・分析しながら、お客様の目的に向かって誘導し、そして成功しているという事例を2件ほどお聞きし、今自分達が求めているのはまさしくこういうことだと思い、セミナーから帰る際には社長の清水ともう沢柳さんにコンサルティングをお願いしようという話をしていました。そして実際にすぐコンサルティングを行っていただくことになったのですが、その冒頭沢柳さんからは、当時カテゴリー分けで、縦割りの製造工程であった当社工場の各部署において、まず問題があることを集めましょうという提案がありました。疑問、難点、トラブルを全員で抽出し、それを一つ一つ直していきましょう、理解していきましょうということをまず初めにやっていただき、その結果やはりムダがあり、効率が悪いということもわかりました。さらに沢柳さんからは、もう少し活人化ができるのではないかという提案をいただいたので、まず初めに活人化の取組みを進めていただくことになりました。その他にも自分達が想像していた以上のコンサルティングをしていただき、現場に精通したプロならではの提案をしていただきました。例えば今3人でやっていることを、次週は2人でやってみようというような提案を受け、実際に3人でやっていたことを2人でやると色々問題が出てくる。そうならば今度は現場を変えていきましょうと、そこまで掘り下げたコンサルティングは当社ではこれまで経験したことのない現場指導であり、大きな変化を生み出していただいたと思います。 このように経営層からの厚い信頼を受けスタートした改善活動だが、実際に現場で改善を行う社員は、当初これまでのやり方を変えるということに少なからず抵抗感があったと活動事務局を担当する商品部 部長 田中 元治氏はいう。田中氏 これまで歴史のある工場を変えるということは社内だけでは難しいと考えていました。これまでにも色々外部から講師に来ていただいても結局うまくいかなかったという経緯があったのですが、社長と専務から沢柳さんのことをお聞きして、自分としてはぜひお願いしたいですと率直に答えました。ただ現場の反応としては、これまでずっと自分達がやりやすいやり方でやっていたことを変えることに当初は反抗感のようなものを持っていたと思います。ただ活動を進める内に、今まで自分の殻に閉じこもって、抜け出せなかった社員たちから、こうした方が良いんじゃないかという話が出るようになってきました。自分としてはそれが本当にすごく良かったことだと感じています。そういう変化は活動を始めて半年ぐらい経ってから徐々に出てきたのですが、沢柳さんの誘導の仕方がうまくて、無理やりではなく、諭すような感じで変化を促してくれたからだと思います。 また、具体的な取り組みの成果として、原価低減の取り組みがあります。活動を通して、製品の歩留りが4ポイント向上しました。また、繁忙期に導入していた派遣社員の人数も活動前に比べると半数以下となり、活人化が進んだことで、生産量を落とさず繁忙期に対応できたと思います。この活動を通して、これまでのリーダーだけのつながりではなく現場を含めた横のつながりが強くなった気がします。それもやはり活動での連携が必要ということが要因であり、活動の成果だといえます。14