ブックタイトルASAP2020vol_2
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ASAP2020vol_2
04 活動を通じた社員の変化 活動の目的には人材育成による組織のボトムアップが掲げられている。活動による社員の変化について清水氏は経営者として大きな喜びを感じておられるという。清水氏 沢柳さんがこんな風にしたらという工夫を現場にどんどん提案してくれて、社員がどんどんほぐれていくのが見ていてわかりました。長い年月で凝り固まった考え方が、そうやればできるんだという可能性を見出して少しずつ柔らかくなっていく。経営者としてその過程を見ているのが、ものすごく大きな喜びでした。どんどん人が変わっていく。先日、朝のミーティングの冒頭で行う「グッド&ニュー」でも話をしましたが、それが本当にすごく嬉しい。人の可能性を引き出すのも人の力だと思いますが、最初は聞いていただけの人たちが、推進リーダー、沢柳さんと一体になって活動を進める中、どんどん意見を言い出し始めた姿がものすごく嬉しかった。本当に人って意欲があれば変わるんだと思いました。そしてその変化は経営にも徐々に良い影響として現れ始めています。現在の市場で売上を拡大していくのはすごく厳しいので、働く人の意識がものすごく大事で、その積み重ねが重要だと思っています。支出をどれだけ抑えるかという意識をムダにしない。自社の商品に思い入れを持つ。自分たちが今行っている過程が、良い商品づくりに結びついて、最終的にはお客様に喜んでいただけるんだというところまで思いがつながったら会社の力としては非常に大きい。そういう形に少しずつなってきていると思います。奥野氏 当初はやらされ感があって、ここまでやればいいんだろうという感じがありましたが、活動を進める中で社員が本当にがらっと変わりました。実は数日前に新しい機械を入れたのですが、それに対する社員の思い入れが以前とは全く違うと感じました。自分達がこれを使っていくんだという思いを持ってくれて、何とか整備、調整しないといけないということで、自発的に取組んでくれました。この様な事を見聞きすると本当に意識が大きく変わってきたんだなと思います。これは当社にとって大改革だと思います。またこれまでは聞かないと言わないという体質だったのが、今は有言実行に変わりつつあるので、こちらが指摘することがないという形になってきています。考えて仕事をするということが出来始めていて、それが若手にも浸透し会社としてのボトムアップにつながっています。05 今後のビジョン 現在活動は社員の意識変革の取組みからさらに経営に直接つながる取組みへと進んでいるという。清水氏 少し前の活動から、これまでとは違った取組みをお願いしています。これまでは社員の意識変革を活動の中心としてきましたが、それが一定の成果が出た状況を踏まえて、今後は組織・体制づくりなど、工場のシステムをどうするかということをテーマに取組んでいきます。活人化の面からは、一人ひとりの社員をどこに配置することで、どの様な生産ができるのか多能工化を進めて、オールラウンドで生産できる体制を目指し、精度を高めた活人化を図っていきたいと思います。 また会社の今後のビジョンとしては、保有するブランド、設備、人の資産を有効に活用し、現在の商品から進化した、新しい商品づくりにもチャレンジしていきたいと考えています。当社ではこれまで板かまぼこを基幹とした経営を行ってきましたが、これからの時代の流れに沿った商品づくりにも取組んでいきたいと考えています。 企業経営では変えてはいけないこと、変わらなくてはいけないことを見極め、持続可能な経営を推進していく必要があるが、長い歴史の中、「どこよりもおいしいかまぼこを作りたい」という創業の精神、いわき市という地域15