ブックタイトルASAP2020vol_2
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ASAP2020vol_2
COMPANY INTERVIEW生懸命に働き、長時間労働もしているのに会社は全然儲からない。そのような状況が社員にとっても面白いわけはなく、不満が高まる中で会社全体に、不穏な雰囲気、停滞感のようなものが蔓延しているのを感じていました。ただ私自身もそれをどう対処したらいいか分からず、売上も利益も下がり続ける中、袋小路に迷い込んだような気持でした。 そんな時、たまたまテクノ経営さんのセミナーに行く機会があり、1日工場診断というものがあるのを知って、ものは試しと受けてみることにしました。 正直なところ、その診断結果については“目から鱗”というほどのものではありませんでした。現在コンサルティングを担当いただいている橋本さんからはかなり厳しい指摘を受け、総合力評価では12 項目中11項目が“悪い”か“いいとは言えない”という診断で、1項目だけが辛うじて“普通”という、非常に低い評価に内心腹も立ちました。ただ、この時受けた指摘というのは、それまでにも取引先の監査などを通じて受けた内容と共通する部分が多く、ある程度自覚みたいなものもありました。わかっちゃいるけどどうしたらいいかわからない、という感じです。また提案された改善手法も、飛びぬけて目新しいものがあったわけではなく、QC七つ道具とかムダ作業の根絶とか5Sとか、どこかで聞いたことがあるような話が多いなという気もしました。ただ色んな手法があることは知っていたものの、それを現実にしっかり実践し会社に根付かせていくやり方が、自分にはよくわからないという認識がありました。 だからただ単にこういう手法があるよ、こういう手法を取り入れなさいと、通り一遍の手法を提示するだけのコンサルティングだったら必要ないと考えていました。それを噛んで含めるように教えてくれて、実践させ、フォローしてくれるようなコンサルティングでない限り、導入する意味はないと思っていたのですが、橋本さんからのご提案はそういう期待を持っても良いような内容と感じました。 申し上げた通り、当時は私としてもかなり手詰まり感があった時期であり、何らかの形でのブレークスルーを切実に求めてもいました。“藁にも縋る”という言葉がありますが、それに近い状況だったかもしれません。 問題となるのはコストです。中小企業である当社にとって、決して安くはないコンサルティングフィーを赤字決算の中でお支払いするだけの価値はあるのか、本当に導入効果は見込めるのかという議論は社内にもありました。また、立ち上がったばかりの新規顧客対応やISOの規格切り替え更新審査も控えている今、コンサルティングを導入すれば一時的にせよ更なる業務負荷が増大して、今よりもっと社員を疲弊させることになってしまう、導入するにしてもこういった問題が落ち着いてからにすべきではないか、という意見もありました。 ただ、このままずるずると今の状態を続けていって、仮に今抱えている問題は解決したとしても、また別の新しい問題が勃発することは容易に想定できましたし、何も手を打たずに状況が好転して落ち着く日が来るとは自分には思えませんでした。何よりこの先、もし2年、3年と赤字が継続してしまったら、現実に支払い能力があるかどうかはともかく、直接の利益には繋がらないコンサルティングフィーを支払おうという気持ち自体なくなってしまうのではないか、決断するなら今しかない、そう考えた自分が役員会を半ば説き伏せるような形でテクノ経営さんのコンサルティング導入を決定しました。◆今回のコンサルティングの対象は全部門ということですがその理由をお聞かせください佐藤氏 導入するにあたりまず考えたことは、部門間に不公平感を出来るだけ持たせたくないということでした。どこの会社にもあることだとは思いますが、隣の芝生は青く見えるものです。実際にその立場になってみればそれぞれの大変さはわかるのだと思いますが、どうしても「他部門は楽をしている」とか、「ちゃんとやっていない」とか思ってしまいがちなので、そういう要素を出来るだけ排除したいと思いました。テクノ経営さんが「現場改善」を売りにしている会社だというのは分かっていましたが、一時的とはいえ負荷の増大が見込まれるコンサルティング活動を現場だけに導入するのは、現場に余計な不満を生んで改善が進まなくなるのではないかという事を危惧しました。 また、実際の当社の現状を見た時、現場系の改善意欲は元々高かったのですが、間接部門系の改善意欲は相対的に低く、問題点を直視したがらない傾向が強いことを感じており、間接部門こそ改善のメスを入れたいという気持ちもありました。間接部門には、残念ながら今5