ブックタイトルASAP2020vol_2
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ASAP2020vol_2
COMPANY INTERVIEWての考え方、言葉の統一というものが実現されてきたことがあって、何か改善を始める際に、共通の言葉が出来たというのは非常に大きいと感じています。例えばC 改善ということが共通言語化されているので、社員も今週何か提案しないといけない、改善がこのように進んだねというような会話が全社共通の話題となっています。◆現場の方の意識に変化は感じられていますか?佐藤氏 活動当初から比べると現場の意識はだいぶん変わってきたと思います。橋本さんがよくおっしゃるのが、「曖昧な言葉を使うな」ということ。例えば「調整」という言葉を橋本さんは禁句にされました。単に「調整」ではなくて、どんな問題をどういう状態にするために、どんなことをしましたというように具体的に話すこと。調整で済ましてしまうと本質が見えなくなる。今までそういう言葉を何にも気にせず使っていて、漠然とした表現が社内でまかり通っていましたが、それが橋本さんの指導で具体的な話し方に変化して来ました。 今、製造の山賀部長が中心になって、ものづくり改善プロジェクトというものを進めてくれています。 今までは新しい仕事が入ってきた時、「これを作るための設備は手一杯で新しい仕事は入れられないから、やるなら新しい設備を買ってください」といった話の流れになってしまっていたのですが、今回、山賀部長から上がってきた提案というのは、今空いているこの設備とこの設備をうまく組み合わせれば、新しい設備を買わずともそれに匹敵する機能が得られるのではないかというものでした。この提案を元に、部門横断でメンバーを選抜したプロジェクトを立ち上げ、工場全体を巻き込む形でレイアウトを大幅に変更していくことで、目論見通りにいけば新規に設備を導入した場合と比べ、5 分の1ほどの経費で同じ仕事がこなせる様になるという取組みが現在進行中です。 この取組みが成功すれば、これまで固定観念にとらわれていた設備の使用方法にも大きなフレキシビリティが生まれ、営業が新しい仕事を取ってくる際の障壁も格段に低くなる筈です。 今まで漠然と「忙しくてとても対応できない」という言い方で済ませていたのが、設備や人の稼働率や能力を見える化し、分析的に見ることによって、ここは確かに忙しいけどこっちはこんなに余力があるじゃないかといった形に現場の考え方も変わってきたのではないかと思います。 また、コンサルティングを継続することによって、経営層と社員側との間にあった見えない壁のようなものも、少しずつ取り払われて来たのかもしれません。今まで、社員の中に「言ってもどうせ聞き入れてもらえない」と、発言自体を諦めているような空気がありましたが、テクノ経営さんに入ってもらうようになってから、ボトムアップの本当にいい提案をしてもらえるようになってきました。山賀氏 現場は当初橋本さんに月3回ほど重点的に回っていただいて、色々教えていただき、ムダ取りなど、無意識に叩き込まれたように思います。その結果、今までなかったような発想というのが確かに出てきています。これまでは私が指示したことに対して、意図が通じなかったり、やらされ感で動いていたのが、今はプロジェクトを進める全員が、「やってみたいね」とか、「こういうことですよね」という発言に変わってきています。指標に関しては、従来から不良率や稼働率等を使用していましたが、製造各課がそれぞれの指標で管理していて、それぞれの成果を報告していました。その結果、今の状態がいいのか悪いのかわからないみたいなところがあったのですが、今は総合効率、生産計画達成率という共通の指標ではかれるようになっていて、相対的に去年と比べてどうなのかなど、全員が同じ目線で見られるようになっています。このような効果は確かにあると思います。またパレート図など、3年前は言葉を知っていても、誰も使ったことは無かったと思います。しかし、現在は機械のトラブルを把握するために、プレス毎の停止時間をパレート図にまとめて改善活動に使用しています。こういうものが現場のホワイトボードのいたるところに貼られるようになってきました。そのおかげでこれまでは漠然としていた改善の根拠が、曖昧な表現ではなく、例えばこの機械はこういう理由で300 分止まりました。その要因がこれなので、ここを改善しましょう。というような話が出来るようになってきました。実際の現場の報告も当初は課長がやっていたことを、次は主任、現在は現場の一般社員が自分の担当のところは橋本さんに直接報告出来るようになってきました。そういう意味からもローテーションがものすごく早くなってきています。まだ全員とはいえないですが確実に活動は浸透してきていると思います。7