ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

ASAPplus2020

ー国内外トップクラスの精密金属加工をメインとした企業に成長松原氏 当社は1953年『旭大隈工業株式会社』として小口径銃弾の製造を目的に設立され特殊な分野からスタートした会社です。1961年(昭和36年)には旭精機工業株式会社と現在の社名に変更し、1973年(昭和48年)には高い精度が要求される小口径銃弾の製造技術を基礎として発展させた深絞り技術・量産加工技術と、機械部門のプレス機械メーカーならではの高度な技術を融合し、精密金属加工品の製造に着手しました。現在では国内外でもトップクラスの生産体制と品質を誇る精密金属加工として事業展開を行っています。さらに1975年(昭和50年)には水晶振動子部品の製造に取組み、量産技術を確立。以降2007年(平成19年)頃まではこの事業をコアビジネスとして展開していましたが、この頃から国内メーカーの海外への生産移管が進み、水晶振動子部品の売上が減少し始めました。ただ入れ替わるようにちょうどその頃から自動車関連の売上が増加し始め、その後も順調に事業規模を拡大し、現在は自動車関連の売上が大半を占めています。高精度の自動車部品製造に伴い、技術開発や、全数保証を基本とした品質保証体制など、生産体制に関する様々な変革の取組み推進が今当社の大きなテーマとなっています。ーコロナ禍以前から感じていた経営環境への危機感松原氏 実は今回の新型コロナウイルス発生以前から自動車産業を取り巻く環境に危機感を持っていて、昨年の4月ごろから米中摩擦による自動車業界へのダメージが徐々に深刻なものになりつつあることを感じていました。その後11月にタイへ出張した際、タイの自動車部品の工場が何か月も操業停止または一時帰休するなど、厳しい状況に陥っていました。その様子を見て、これはいよいよ危ないぞというのを肌で感じ、色々情報を収集する中、中国でもかなりの減産をしていることがわかりました。当社への注文も徐々に減って来てはいたのですが、コロナ発生以降1月~4月は何とか持ちこたえていました。ただ5月にはかなり危ない雰囲気が出てきて、6月は大幅に売り上げが減りました。減少比率としては、昨年同月比の売上で45%減、利益はもっと悪い状況でした。7月からは若干回復傾向にありますが、まだ元の状態にはほど遠いため、休業をして雇用調整助成金の申請も行うなど、何とかやりくりをしながら工場を運営する中、多くの人余りが出ていました。ただこのような状態でも、利益については6月の底の状態においても何とか捻出することが出来ていました。これは今までテクノ経営さんのコンサルティングを通じて、当社が学んできた成果であり、それが当社の底力となって発揮されたものと考えています。今後の見通しとして、10月以降については部分的に受注も復活して8割から9割は元の状態に戻りつつあり、人余りもほぼ無くなって来ています。工場内で働く人のモチベーションは、実際の収入が減ることもあり厳しい状況ですが、やはり今までの改善活動で学んできたことがそれぞれのベースになっていて、多少の愚痴や不平不満はあっても、精神的にまいってしまうような社員はいませんし、会社の現状についても理解してくれていると思います。改善活動の蓄積がコロナ禍で会社の底力を発揮する源に旭精機工業株式会社CASE04取締役精密加工事業部副長兼第一製造部長兼次世代企画室長松原 幸弘氏11