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概要

ASAPplus2020

ー創業以来2度の危機、そして新型コロナによる3度目の大きな危機に直面矢野氏 2008 年9 月、当社の設立直前にリーマンショックが発生しました。直接的な影響は少なかったのですが、工場の建設などが計画通り進められなくなり、実際に稼動したのは2 0 11年からです。世界的な不況の中、人の定着など色々と落ち着かない状況でのスタートとなり、実績の面でも当初は見込み通りに進めることができませんでした。その状況がようやく一段落ついた頃、今度は2 0 11年に大洪水が発生し、タイ国内に大きな被害をもたらし、7つの工業団地も浸水するなど、経済損失も甚大となりました。幸い当社には大きな実害は出ませんでしたが、お取引先などが被災されたことで、業績にも若干の影響がありました。このような創業からの危機的側面から見ても、今回の新型コロナウイルスによる影響は飛び抜けて大きく、現在はこれをどう乗り越えていくのかという取組みを検討し、進めているところです。ーコロナ禍での経営状況矢野氏 当社の親会社である綜研化学は、1948 年の創業以来「小なりとも最優の会社となって社会に貢献しよう」という創業の精神のもとで経営を推進しており、その考え方を当社でも展開したいと考えて、3年前に着任した時からその取組みをスタートさせました。ただ、いざスタートしてみると当時の日本からの出向者と、ローカル社員の関り方には、ある種の線引きがあり、新製品の開発などにもローカル社員をあまり関与させていないような状況でした。私はローカル社員も一緒に、自分達が持つ秀でたものを強みにする取組みを進めて行きたいと考えていたのですが、当時はそのベースが出来ていませんでした。 そこで1年目はまず状況整理をしながら、社員に発破をかけて活動のベースを作り、2年目からは、新しい製品をつくろうとか、生産性を考えて効率良くつくろうとか、機器の保守点検をきちんとやっていこうというようなことを社員に呼びかけて、少しずつ取組みを進めて行きました。そして3年目で会社の体質がだいぶん変わってきて、これからさらに加速度的に活動を推進していけるかなと思っていた矢先、新型コロナウイルス感染症が発生しました。その後非常事態宣言の発令に伴い、タイ国内の経済活動が完全に止まってしまい、そこからはもう全く先が読めない状況になりました。せっかく効率を上げてものづくりが出来るようになってきたのに、作るものがないという状況になって、本当に困ったことになったなというのが今年の4月~6月です。ただそういう状況ではあっても、前向きにやれることをやって行こうという方針を立てて、これまであまりちゃんと出来ていなかった社内教育などの取組みを進めることにしました。するとそういうことを通じて、少しずつローカル社員のリーダークラスの意識が変化してきて、自分達から色んなことにチャレンジしてくれるようになってきました。 今後の見通しについて、タイでは市場に動きが戻ってきましたが、インドネシアはまだまだですし、中国を中心とした市場回復の方向性に左右されるところが大きいと考えていますが、ローカル社員が現在取組んアフターコロナに向けて、ローカル社員の意識変革を促すための活動を推進綜研化学アジア株式会社CASE06Managing Director矢野 剛氏15