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概要

ASAPplus2020

ーお客様のタイ進出を機に、中国に続くグループ2番目の海外拠点として設立杉浦氏 当社は2011年に親会社である旭化学工業株式会社の海外における2 拠点目として設立されました。設立経緯としては、私が中国にいる時にお客様からタイ進出計画の話をお声掛けいただき、親会社の意向を受けてタイの状況を視察したところ、お話をいただいたお客様だけでなく、裾野が広くその他の可能性も有りそうだとの判断から、検討の結果最終的にタイへの進出を決定しました。 当社は射出成形によるプラスチック成形品の生産を行っていますが、タイでは後発であるため、何か強みとなる部分が必要ということから、金型から成形まで一貫して提供できるということをセールスポイントとして打ち出していて、お客様は電動工具関係、2 輪関係、汎用・OA関係という3つが柱となっています。タイでは離職率が高いと言われており、属人性が高い業務が多いと、社員が突然辞めてしまうと仕事が止まってしまうため、リスクマネジメントの側面から、強みである金型については自動化を進めていて、高速のマシニングセンターを入れて、磨きも自動で行えるようにしています。ただ実際は当社の離職率は低く、特に現場社員は創業時の初期メンバーが8割から9割は残っていて、これまで人手不足に苦労したことはありません。ーコロナ禍の危機にも、従業員への影響を最小限に抑える取組みを実施杉浦氏 当社は大洪水でも大きな影響は受けませんでしたし、土地も値上がりする前に買っていたため、そのための苦労もしていません。そういう意味では創業からの一番大きな危機は、やはり今回のコロナ禍ということになります。当たり前のことですが、現状ではまず固定費を下げていかなければならず、そうなると人件費ということになるのですが、自分としてはどうしても従業員に対して、リストラや給与を減らすというようなことはしたくなかったので、大変申し訳なかったのですが、派遣さんには少し休んでいただくことをお願いしました。外注を減らすという手もあるのですが、コロナ禍が収まり、いざ元の状態に戻った時のことを考えて、社内での残業や夜勤を止めて、機械を無駄に動かさず、その分外注に出すことを選択しました。この間もちろん楽ではありませんでしたし、売上も激減しましたが、ただおかげさまで1日休業しただけで、工場を運営することができました。外注先を維持しながら操業を続けることが出来たことは、いずれこのコロナ禍が収まった時に大きな効果を発揮すると考えています。また固定費削減策として、工業団地では普通に行われている従業員の送迎もやめました。従業員には送迎の代わりに交通費を出すことを説明したので、問題なく納得してもらうことができました。これにより、支給した交通費を差し引いても80%の交通費が削減できて、大きな効果を生むことができました。 今後の見通しとしては、現在計画している仕事が全て受注できたら、来春以降の売上は順次増加していく見込みです。米中摩擦も当社には追い風となっていて、良い影響が出ており、その関係で受注が大幅に増加しています。中国の会社から当社へとシフトしていただいているのですが、その会社も当社の中国拠点ではないため、グループとしては純増となります。 またテクノ経営さんにご指導いただいていることも、実際の数字に効果として表れています。現在はまだ厳しい状況ですが、自分の予測よりも意外なほど赤字幅が少なくて、指導していただいた成果がしっかり出ていトップと従業員の絆で今そこにある危機を乗り越えるASAHI PLUS CO.,LTD.CASE07President杉浦 誠氏17