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概要

ASAPplus2020

ーお客様の要望を形にするものづくりを基盤として成長岩田氏 当社は平成元年に、現在会長である私の父が、それまで勤務していた会社から独立して創業した会社です。父は職人気質で、ものづくりに情熱を傾ける人なので、営業的には色々な苦労がありながら、作るものを自分達が選ぶのではなく、お客様の要望されることをいかに実現していくのかに主眼を置いて会社の基盤を作ってきました。そしてその考え方は私も引き継いでいます。現在の事業展開としてはサイン、看板関係の製造が7割程度を占めていますが、この事業は創業時には無かったものです。当初はお客様からいただいたチャンスで事業を進めていたものが、5年、10年と経過する内に、蓄積された経験やノウハウに対してお客様から相談が来るようになりました。主な納入先としては商業施設や会社のビルなどが中心ですが、今年は羽田空港やJR東京駅など大きなプロジェクトにおける看板制作も行いました。当社はお客様の要望に応じてモノをつくるという、ある意味「無理難題」を形にしていく仕事を日頃から行っていて、なおかつ納期、品質の面でもお客様の信頼に応えてきたと自負しています。そういうこれまでの実績に対する評価が、要求される性能レベルが高い仕事の受注や、業務内容の拡大につながっているのではないかと考えています。ー上海で学んだ「仕事」と「幸せ」の意味岩田氏 私が当社に入社したのは2009年で、それまでは別の会社で勤務していました。父の考えとして、卒業してそのまま会社に来ても、井の中の蛙になってしまうので、どこかいい修行先で経験を積ませたいということがあり、ある倉敷の会社で働くことになりました。その会社ではいろいろな経験をさせていただき、生産部門で2年、営業部門で1年、上海に設立した現地法人で約2年間勤務しました。この上海での経験は今考えると相当に大変な状況でした。自分が任されていたのは生産部門でしたが、現場で日本語が話せる人はいなかったためコミュニケーションを取ることが非常に困難で、そのため休みの日には彼らの宿舎に遊びに行ったりして、一緒に過ごす時間を増やすことで、言葉は通じなくても、意志の疎通ができるように努力しました。この時本質的なコミュニケーションの意味を学んだような気がします。そして上海ではもう一つ学んだことがあります。私は当時多くの仕事を抱えて、日々色んなプレッシャーで押しつぶされそうになっていました。そんな時に部下から、「岩田さん最近大丈夫ですか?毎日笑ってないですよ。何でそんな辛い思いをしてまで仕事をするのですか?」と励まされたことがありました。その時自分の中で、仕事って何だろう?幸せって何だろうという思いが起こったのです。私は日本からの出向社員で、彼らの10倍以上の給料をもらっていましたが、笑顔で働くことが出来ていませんでした。ところが自分よりずっと少ない給料でも彼らは毎日笑顔で働いていました。その原動力は自分の能力を高めれば待遇も良くなるはずだというポジティブな思いであり、それが彼らを生き生きとさせていたのです。その時に感じた仕事に対する価値観は今も自分の中心に残っていて、現在の経営にも繋がっているコロナ禍の今は未来の成長に向けた取組みを進めるチャンス株式会社ハーベストCASE01代表取締役岩田 学氏5