コラム/海外レポート

2013.01.01

間接業務改革の勘所(1)

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執筆者:

南野 嘉也

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この記事は5年以上前に掲載されたものです。掲載当時の内容となりますのでご了承下さい。
1.はじめに

“成果が出にくい、成果が見えない”“現場は何とかやれたけど・・・、間接はプライドが高くてね” その結果、「間接部門の改革は難しい。」、各企業でよく聞かれる言葉です。
現場改善はかなり進んだ企業でも間接部門まで手が及ばず、企業改革の“最後の聖地”とまでいわれています。現在、多くの企業が手を染めたいと思いながらも着手できない間接業務改革。

そこで、本コラムでは、型通りの「間接業務改革の進め方」ではなく、私自身のコンサルタント経験を加味して、成果を出すための“おさえどころ”をお話したく思います。

2.間接部門の特性と難しさ(仕事の側面)

まずはその業務内容を考慮して間接部門の特性を十分把握する必要があります。
その要点をまとめると以下のようなります。

いかがでしょうか。
これが「間接部門の特性と難しさ」ですが、何ともはっきりと形が見えにくいとお感じではないでしょうか。

3.知的職人たち(人の側面)

さらに、もう少し違う側面から間接部門業務の特徴を把握しておく必要があります。
一般的に間接部門業務に従事する方々は、ある特質をお持ちです。そして、私どもはこうした方々を「知的職人(ナリッジクラフツマン)」と呼ばせて頂いています。
その特徴をまとめますと

これを一言でいえば 「天上天下唯我独尊」の世界という感じになるのでしょうか。
企画、開発、設計、SE 営業など、個人技が発揮される部門業務がその典型です。

4.間接部門生産性の実態

では、そうした知的職人たちの業務効率とは一般的にどの程度なのでしょうか。
以下はあるお客様の開発設計部門の事例です。

いかがですか?このデータをどう評価しますか。

その通り。
計画、見積、設計業務における基本機能の業務比率20~25%は「きわめて生産性が低い」と言わざるを得ません。

また、この数字はこの企業だけの特異現象ではなく、私の経験では、多くの企業の開発、設計部門では、いずれも申し合わせたように20%前後になっているのです。

これを言い換えれば、改革の手が入っていない間接部門では、同程度の効率阻害要因を抱えながら仕事をしているのが現実だということです。

では、なぜ開発・設計に代表される「間接部門の生産性は低い」のでしょうか?
次回はここからお話ししたいと思います。

以上