産業用包装資材として農業用の肥料やプラスチックの原料となるレジンを入れるポリエチレン重包装袋をメインに製造しているポリタイ化学株式会社は、全国に8つの製造拠点を持ち、産業用包装容器の安定供給を使命として70年の歴史を積み重ねてきたシコーグループの1つ。母体となるシコー株式会社に新社長が就任し、そのタイミングで製造現場の見直しに着手。需要の低下や原材料の高騰といった厳しい現状へ対応していくため、ベテランから若手への技術継承を含めた工場全体の活性化、そして更なる生産性の向上が求められていました。
【背景と課題】
なかなか自発的な行動が取れず、これまでの方法が踏襲されていた。
当グループは、主に産業用包装資材を製造するメーカーで、ポリタイ化学株式会社はグループ会社の1つとして、ポリエチレン重包装袋を中心に製造しています。
工場の現場で働く方々は一生懸命、業務に取り組んでくれていましたが、これまでのやり方は正しいのか、もっと良いやり方はないのかなど、根本的な見直しを図りたいと考えていました。需要の低下、原材料の高騰も大きな問題で、今後生き残っていくためには良い品物をより早く、低コストで作る、あるいは小ロットの需要を効率良く作るなど、生産性の向上がますます必要になっていました。
さらに、工場ではベテランの方が皆を引っ張り、現場を支えてくれていた反面、その他のメンバーがなかなか自発的な行動に移せないでいると感じていました。
こうした状況の中、工場がもう一段階成長するために、その為の力をお借りしたく、テクノ経営総合研究所のコンサルティング導入を決めました。セミナー受講後、1日工場診断を実施し、提案をしていただきました。その内容は決して難しいものではなく、自分たちの工場でも十分実施ができそうで、イメージしていたものと近い内容でした。また、トップダウンで強烈に実施するのではなく、ボトムアップ的にじっくり現場に寄り添って活動していく部分も、うちのグループに合っているものだと共感できました。活動名は皆で話し合って「Pレボリューション21」と決めて、改善活動がスタートしました。
【選定と導入】
若手をリーダーに抜擢し、全員参加の改善活動へ
製造工程は大きく3つの部門に分かれていて、素材からロール状の原反を製造するインフレ工程、メーカー名や品名などを袋に反映する印刷工程、最終的な成形を行う製袋工程で構成されています。今回の活動ではそれぞれの製造工程でチームを作り、各チームのリーダーには若手を抜擢し、ベテランを含めて、皆でサポートする体制にしました。当初は通常の業務に加え、新たに取り組む活動への抵抗もありましたが、全員で助け合う雰囲気を作ることで、そうした抵抗もなくなり、どんどん活発化していきました。
活動を進めていくと様々な課題や問題が出てきました。しかし、コンサルタントから指導していただきつつ、人時生産性や設備総合効率といった各種データの数値化やグラフ化をはじめ、チョコ停改善の削減効果を金額換算して把握するなど、改善効果の『見える化』を進めました。すると、自分たちで取り組んでいる活動の効果が目に見えて分かるようになり、課題や問題を解決していきました。さらに、人員配置表の作り替えや、比較的手間のかからない品物は2名から1名化して生産性を上げるなど、様々な成果を達成していけるようになりました。
1年半におよぶ改善活動の前半戦を終えた成果発表会では、各チームが自分たちで制作したオリジナリティーのある資料を堂々と発表してくれて、改善活動によるたくさんの数値的な生産性向上はもちろん、それ以上にみんなの成長を一番感じ、非常に驚きました。後半戦では、まだ到達していないものを含め、しっかりと目標を達成していくこと、そして営業担当という新しい切り口を活動へ加えて、これまでとは違うアプローチでの工場改革も進め、更なる成長をめざしていきたいです。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2023年2月27日)
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【工場診断事例】ポリタイ化学株式会社様
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