戦後間もない1946年(昭和21年)に鋼材卸販売業として創業し、新潟県の柏崎・刈羽地域における唯一の鋼材特約店として70年以上の歴史を積み重ねてきた柏陽鋼機株式会社。時代の変化とともに、素材に付加価値をつける加工販売へと大きく舵を切る中、中期経営計画『GOAL85』の達成、そして製造業として更なる飛躍をすべく、全体の生産性や効率UP、また人材育成が課題でした。
【背景と課題】
思うように高まらない付加価値と社員
一人あたりの作業効率の比較が課題に
1946年(昭和21年)の創業以来、鋼材卸販売業ということで、地元である柏崎・刈羽を中心に経営を営んできました。時代の変化、また鉄鋼需要が先細りする中、いかにして経営を継続していくか、そのために当社の付加価値をどう高めていくのかを突き詰めた結果、そこで選んだのは鋼材の加工業務、製造業務でした。販売兼製造業ではなく、会社を存続していくためには製造業だと。「製造業の傍らで鋼材も販売する」という意識を切り替えないとダメだということで、そこで独立していた子会社を吸収合併し、新たに柏陽鋼機の加工事業部として「鋼材加工センター」をスタートさせ、完全に加工業へと舵を切りました。
2022年に、当社の85期(2027年6月30日)ゴールとして達成すべき目標を掲げ、5か年におよぶ中期経営計画『GOAL85』を策定しました。こうした明確な目標のもと、さまざまなことに取り組んでいきましたが、思うように付加価値が高まっていかないという状況に陥っていました。第三期設備投資を予定しており、それらを扱う人材育成が急務でしたし、ハード、ソフト両面をバランスよく評価して計画を進めていかなければ、目標の達成は難しいと感じていました。
また、社員一人あたりの作業効率や生産性を比較しづらいといった認識がありました。当社の作業効率はどれくらいのレベルなのか、第三者の専門的な目で見ていただいて、その上で指導していく必要性を感じていましたし、標準化していくことで会社全体の生産性や効率を上げていくというのが1つのテーマだという課題で捉えていました。
【選定と導入】
意識が変わり、目的を見据え、ポテンシャル
を発揮し始めた社員たちも
最初は、大光銀行様からテクノ経営さんで実施されているセミナーのパンフレットをご紹介いただいたのがきっかけだったと思います。まさに製造業としてのという意味で非常に興味のあるタイトルでしたので、オンラインで拝聴させていただきました。その後、1日工場診断のサービスをご提案いただき、そこから始まったという感じですね。
1日工場診断の当日、工場内を案内した事務局のメンバーに聞くと、ある程度は事前に指摘されると思われるポイントを想定した上でアテンドしたそうです。案の定、そこの部分はしっかりと指摘を受けながら、さらに想定をこえた部分での指摘をはじめ、内容や根拠を具体的な数字で提示いただきました。過去にもコンサルティングを受けたことはあったのですが、テクノ経営さんからの提案は分かりやすく、説得力のある診断結果で、正直、以前とは違うと感じたようです。こうした背景に加え、現場の当事者たちから「ぜひ実施したい」という意見が強く、コンサルティング導入の決め手になりました。
コンサルティングの導入は、ある程度の抵抗は想定していたものの、そこまで強いものではないだろうと考えていました。しかし、いざ導入してみると、こんなにも変化することに対してアレルギーを感じるのかと、想定以上の反応や、その抵抗の強さに驚きました。一方で、1年間の活動を経て、徐々に変化を受け入れ、変わるということが日々、市民権を得ているようにも感じています。
2年間という期間の中で、当社の状況をはじめ、社員の意識なども把握しながら、きちんとプランを立てて進められています。当事者である社員たちがだんだんと腹を括るというか、理解が進み、「そうなんだよな」と分かってくる状態になったのが最初の1年だったのではないかと思います。
個々によってそれぞれではありますが、活動のリーダーに抜擢され、意識が変わっていき、今まで見せなかった部分を見せるというか、ポテンシャルを表し始めたような社員もいますね。以前から思っていたけどなかなか言えなかった、行動できなかった状態から、意識が少しずつ変わっていき、それが発言や行動に移せるようになった。反面、まだどうすれば良いか分からないという社員もいて。自分たちがやろうとしている仕事の目的、目標がしっかりと落とし込まれているか、理解できているか、そこができていれば、自ずと課題は見えてくるはずですので、やはり変わっていかなければ、前には進んでいけない。何年も前から伝えていますが、現在取り組んでいる活動はそういった意味でも良い機会になっていると思います。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2024年4月3日)
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【工場診断事例】柏陽鋼機株式会社様
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