2016.10.18
工場改革を活性化させる!ものづくりコンサルタントの道具箱(後編)
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執筆者:
沢柳 知治
はじめに ~最高のリーダーとは~
『最高のリーダーは人々がその存在をほとんど知らない。彼が仕事を終え、目的を達した時、人々はこう言うだろう、この仕事は自分たちだけでやり遂げたのだ!』
これは、老子が残した言葉です。
工場改革を進めるうえで、トップが表舞台に立ち、活動を牽引することは改革を活性化するには欠かせません。
しかしながら、トップが前に出れば出るほど現場は引いていくのも事実です。
今回ご紹介する『現場で使えるファシリテーションツール』は活動の一体感を生み出し、現場メンバーが『この改革は自分たちでやり遂げたのだ!』という意識になるツールです。
このコラムを読んで、是非皆さんの職場で実際にこのツールを使ってみて下さい。
現場で使えるファシリテーションツール~活動の一体感を生み出す、もっとも簡単な手法“サークル”~
トップやリーダーだけがはりきって、メンバーがついてこない・・・
活動を何とか盛り上げようと話せば話すほど、メンバーが引いてしまう・・・
改革活動だけでなく、ミーティングの場でも
全員を巻き込んで一体感を生み出す事は難しいと思います。
今回ご紹介するのは、活動の一体感を生み出す
もっとも簡単な手法“サークル”です。
このサークルという手法、何の準備も道具もいりません。
文字通り、メンバー全員がお互いの顔が見えるよう円(サークル)になって、
一人一人コメントを言うだけです。
“サークル”やり方は・・・
1.一言コメントが欲しいテーマを全員に伝える。
(例:ミーティングの感想、気づき、実行する事など)
2.一人一人の顔が見えるようにきれいな1つの円(サークル)になる。
3.全員が一言コメントを述べ、他のメンバーは傾聴、拍手する。
えっ、たったこれだけ?
そうなんです。たったこれだけです。
たったこれだけなのですが、
全員が円になって向かい合い、一人一人がコメントを述べ、
お互いに傾聴し合うことで活動やミーティングに一体感が生まれます。
円形になるということ自体、一体感を高める効果があります。
多くの活動やミーティングの場では、
決定権のあるトップやリーダーが多くの時間話しています。
一方で、冒頭にも書いたように、残念ながら
トップやリーダーが話せば話すほど、メンバーは引いてしまうのが事実です。
私もなんとかメンバーを巻き込もうと話せば話すほど
メンバーがどんどん引いてしまったという経験があります・・・
では、活動に一体感を生み出し、
メンバーを巻き込み、行動させるにはどうしたら良いか?
私がいきついたこたえは、
メンバーに『発言してもらうという行動』をさせる事です。
私自身、パートの女性工員さんが多い職場でも
ミーティングの最後にサークルをしていますが
皆さんの発言、行動、意識が変わり、生産性が着実に向上しています。
“サークル”をミーティングのたびに続けて行くことで、
確実にメンバーの一体感が生まれ、活動がスムーズに進むこと間違いなしです。
ぜひ皆さんも“サークル”に挑戦してみてください!