コラム/海外レポート

2013.09.10

組織の絆を蘇らせ生き生きとした職場を作る(2)

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執筆者:

佐竹 陽一

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この記事は5年以上前に掲載されたものです。掲載当時の内容となりますのでご了承下さい。
ものづくりファシリテーター育成のすすめ
成功の循環サイクルを実現するスキルであるファシリテーション

前回のコラムでお話した成功の循環サイクルを実現するには、現場で組織の連結点であるミドルがどのようなことを行えばいいのでしょうか?
成功の循環の4つの質(関係、思考、行動、結果)それぞれの質の向上に対応したスキルがファシリテーションです。
ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるように支援し、うまくことが運ぶようにかじ取りすること。 集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習など、あらゆる知的創造活動を支援していく働きを意味します。 みなさんは、コーチングは聞いたことがあると思います。コーチングは個人に対して働きかけるスキルとすれば、ファシリテーションは組織・チームに働きかえるスキルと考えてください。 成功の循環の順番でそれぞれの質の向上で必要なスキルを説明していきます。

関係の質を上げるスキル

(1)~場をつくり、つなげる~ スキルです。「カイゼン」活動の場をつくり、その中で、チームとして良好な関係性を築き、また、「カイゼン」活動の目的・目標を共有していきます。 具体的には、リーダーとチームが一体感を増し活性化を促進する手法(たとえば、リーダーズ・インテグレーション※)を活用してチーム・ビルディングを行っていきます。

思考の質を上げるスキル

(2)~受け止め、引き出す~ スキルです。チームとして活動がスタートして、安心・安全の場が作られた状態で、自由に思いを語り合い、たくさんのアイデアをだし、 その中でさらにチーム意識と理解を深めあって行きます。発言や意見の意味をしっかり受け止め、さらなる思いや意味合いを引き出していかなければなりません。 意見の空中戦と地上戦というとたとえがあります。一般的な会議では、意見は発言して、まとめは板書で行います。これを空中戦の議論といいます。 意見は発言者の口から発せられ、消えてなくなります。また発言者と意見が同一視され、上下関係や、人の好き嫌いによって、意見にバイアスがかかってしまうことも否めません。 意見をポストイットや模造紙に書き留め、それを皆で見ながら意見をさらに出していけば、意見と人が分離し、また、消えることもなく、活発な意見交換ができるようになります。 さらに適切なファシリテーターの「質問」「問い」によって参加者の意見が引き出されます。これが、議論の地上戦化です。

行動の質を上げるスキル

(3)~かみ合わせ整理、行う~ スキルです。たくさんの意見が出たものを、論理的にもしっかりとした形で構造化して整理し、議論を絞り込んでいきます。 図解やチャート、マトリクス図などを使いながら、分かりやすい形にして意見を集約して、方策を決定し、行動計画にまとめ、実践していきます。

結果の質を上げるスキル

(4)~まとめ、分かち合う~ スキルです。実践した結果を皆で振り返り、成果を分かち合い皆で喜び、次の活動に向けての糧とします。 そのためには、成果を皆が見える適切なモノサシが必要になります。活動を計画する段階で、皆で十分な議論を経て、合意し、 それを活動中にグラフなどで「見える化」して、結果を確認しながら活動を進めていきます。

※リーダーズ・インテグレーション:
チーム・ビルディングの手法の一つ。具体的には、チームリーダーに、活動にかける熱い想いを述べでてもらい、 退席後、リーダーについて知っていること、リーダーについて知りたいこと、リーダーに知って欲しいこと、リーダーの活動にかける熱い想いに皆で何ができるのかを模造紙にまとめ、 それぞれにリーダーがメンバーみんなの前でコメントしていきます。このワークを行うだけでも、リーダーとメンバーの距離感が縮まり、活動への意欲も高まっていきます。 ここで重要なファシリテーターのスキルはいかにリーダーが自己開示してくれるか、メンバーが自由に意見を言えるかになります。会議やセミナー、ワークショップなどの前に、 参加者の抵抗感をなくし、場が進む雰囲気をつくるアイス・ブレイクをおこない、メンバーとの親密な関係の場を作っていく手法です。

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