コラム/海外レポート

2013.08.10

改善・改革を継続させるヒント(2)

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  • 現場改革・生産性向上
  • 間接部門改革
  • 部門間連携

執筆者:

中川 勝之

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この記事は5年以上前に掲載されたものです。掲載当時の内容となりますのでご了承下さい。
はじめに

第1回では、“改善・改革” を推し進めるため、全従業員の協力を得るベースづくりとして、「問題意識と当事者意識のレベルを上げ続ける」仕掛けの重要ポイントをご紹介しました。
今回は、それを踏まえた上で継続させるためのポイントをご紹介致します。

第2回:「組織連携をノルマ(仕事)にする」
(1)組織連携を構築する順序

解決すべき問題を 「現場サイドから上がってくるもの」「トップ方針から降りてくるもの」2種類で分類した場合に、優先して取り組むのは、後者であるケースが殆どです。 もちろんトップ方針ですから、何としても目標をクリアしなければなりません。しかし、経営トップからは、「目標をクリアできず、翌年は目標を設定し直して取り組むような事になってしまっている。」 といった悩みをお聞きすることが少なくありません。
この原因を探っていくと、組織連携の構築が出来ていないにもかかわらず取り組んでいるケースが殆どです。
組織連携の構築順序は、現場サイドから上がってくる問題を組織が連携して解決できるようにする事が先です。それが構築されてからでないと、より大きなテーマを連携して取り組むのは非常に困難です。

(2)現場サイドから上がってくる問題に対する組織連携

現場サイドから上がってくる問題に対する組織連携において、大事なポイントは、大きく2つあります。

1つ目は、各個人が実行するのは、問題だけを上げる事。原因と対策は上げないことです。
(ただし、問題意識と当事者意識の視点を外さない。)
狙いは、純粋に問題だけを正しく捉える訓練に焦点を当てて、量を出しやすくすることです。

2つ目は、チームによる改善ミーティングを定例化することです。
狙いは、“問題が出てきたら、皆集まって話をする”ではなく、とにかく1週間に1回、30分でも構わないので、必ず職場で集まって、上がってきた問題について話し合う。この“話し合う”ことに焦点を当てて組織連携を定着させることです。

この2点を押えたチーム活動を実施すると、組織連携の構築は、2~3ヶ月で出来てきます。

(3)組織連携への中間管理職の関わり

このようにして職場内の組織連携を構築しただけでは、まだ十分ではありません。 よく見られるのは、職場内の連携は取れているけれども、中間管理職とは連携が取れていない。 というケースです。この連携が取れて初めて、トップ方針から降りてくるテーマを、全従業員の協力を得ながら目標に向かって取り組んで行けます。
ではどのように中間管理職は関わって行けば良いのでしょうか?
現場サイドから上がってくる問題を解決しようとした場合、必ず“職場内で改善できるもの”と“職場間をまたがるもの”が出て来ます。この“職場間をまたがるもの”の対策案に対して、関係する中間管理職が集まって採用可否を検討する。 この組織連携をノルマ(仕事)化すれば、良いという事です。

(4)継続的な改善・改革のポイント

前項までに述べてきたことを踏まえて、“活動を継続させる”ための重要なポイントがあります。 それは、現場サイドから上がってくる問題の内、“問題解決そのものが非常に難解で技術力を伴うもの”と“問題解決は簡単だけれども連携を伴うもの”がある場合、まず優先すべきなのは、“連携を伴うもの”から解決することです。 よくあるのが、難しい問題と連携の両方を同時にやろうとして、活動が頓挫してしまうケースです。まず、簡単な問題だけを解決して行き、この連携した活動が当たり前になってから、徐々に成果が出る問題に取り組んでいく。 こういう考え方で活動を進めて行くと、継続することは容易に出来ます。

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