2012.10.05
「経営成果達成につながる職場づくり」について(前編)
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執筆者:
相澤 淳一
ごあいさつ
「経営改革に役立つコラム」ということで、前回より掲載させていただいておりますが、今回は「経営成果達成につながる職場づくり」というテーマで2回に分けて進めたいと思います。
「無言の職場」と解決の方向性
改善・改革活動のご支援をさせていただいている中で、職場の状況として、「発言が少ない・出ない」という場面に遭遇します。
第3者という立場もあり、その理由を「なぜ・なぜ」と伺ってまいりますと、業界を問わず共通してお聞きする理由は次のような内容が多くなっています。
1)「言えば、すべて一人でやらされてしまう。だから言わない。」
朝礼などで、気づいたことや、してほしいことを話したりすると、「あなたがやってください。」と言われて、結局は自分ひとりですべてやらされる結果になってしまう。・・・「だから、皆黙っているのです。」というお話は、非常に多くの職場で聞かれました。
(解決の方向性)
ひとりが言ったことを職場の全員で取上げて、全員が参加・分担・行動するようにして行きます。
2)「言っても、やる時間がないから。」
現状は、人が少ない中で各自の仕事を担当しているため、気持ちに余裕が持てる状況ではありません。定時内に改善活動はとてもやることは出来ない。・・・と思い込んでいる方がほとんどです。
(解決の方向性)
しかしながら、「1日15分間」の余裕も持てないかといえば、大多数の職場での実績から、確保することは可能です。・・・たかが15分間・されど15分間で、「集中してやってみれば、思っていたよりは多くのことが出来る」との感想が聞かれます。・・・経営者の方は「1日15分間」を各従業員に与えてあげてください。
3)「何を言えば良いものか、考え付かない。」
「何か提案がありませんか。」と聞かれても、頭の中は真っ白になってしまい、出てこない。・・・また、考えついたとしても、それをどのように実施して行けばよいものかが分からない。
「改善提案」、それも「実施済みの効果把握したもの」という要求が毎年・毎年要請される。・・・いつのまにか、「報告のための改善活動、改善提案」になってしまっている。そのような職場も多く見られます。
(解決の方向性)
「やりづらいな。」「これ、何とかならないかな。」「これは無くしてほしいな。」などの素朴な疑問・気づきを取上げて行く。・・・軌道に載るまで、「整理・整頓・清掃から始める」のが、改善活動を再起動させる上手い方法です。
職場の・工場の問題が発生する原因の多くが「整理・整頓・清掃」の不備に帰結することが多く、発生した問題の再発防止対策は、結局のところ「整理・整頓・清掃」の本質に近づける対策を実施しているケースが多いのも事実です。
4)「言っても、やってもらえない。」
せっかく勇気を出して言ってみても、それを受けとめてもらえない。・・・「だから、初めから言わない。」という状況は実に多くなっています。職場間・部門間の問題や課題が進まない職場・工場・会社が増えています。 ・・・役職者がいても、間を取り持って解決を進める人・それを実際にやりとげる人がいなくなっている。
(解決の方向性)
「1日15分間の改善活動時間」、この時間帯だけ「橋渡し役」となる人を社長または工場長が任命する。
(1)各職場で依頼したいことが出てきたら「橋渡し役」に相談する。
(2)「橋渡し役」は内容を確認して、依頼するに相応しければ、先方のリーダー・部門長に
説明し・依頼する。
(3)受け取ったリーダー・部門長は、それらを解決して、「橋渡し役」を通して要請のあった
職場・部門に回答する。
当り前のことのようですが、皆さんの職場・部門を見渡してみてください。このような現場に近い声を取上げて動く「橋渡し役」が、見つからなくなっているようです。