コラム/海外レポート

2021.12.22

時代の流れに打ち勝てるしなやかな企業を目指して
(ダイソウ工業株式会社 様)

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鋲螺の製造販売を目的とする川口商店を前身として、1985年10月に産声をあげたダイソウ工業株式会社。
同社は、その経営理念どおり時代の流れに対してしたたかさと、しなやかさを持って成長を続けてきた会社である。
鋲螺の製造にはじまり、いまでは自動車用部品のプレス加工及び溶接の一貫加工、建設重機用板金部品や医療・介護用ベッドのフレーム部品等の溶接加工など多種多様な金属加工部品を、東海地方に拠点を置く大手企業にむけて送り出している。
ダイソウ工業の歴史は、ものづくりに携わる職人としての技術継承はもちろん、その枠におさまらないチャレンジ精神で培われてきた。
好奇心から興味へ、そしてそれが新たなチャレンジを生み、会社としての可能性が広がっていく。そんなマインドで現在この会社を牽引しているのが、社長の川口宗一氏だ。創業者から数えて四代目にあたる。
同社の関連会社であるS.Kコーポレーションで溶接工としてキャリアをスタートさせた川口氏。その後S.Kコーポレーションの工場長を経て社長に就任、そして2017年にダイソウ工業株式会社の代表取締役となる。
町工場規模のS.Kコーポレーションから、およそ200名の従業員をかかえるダイソウ工業の社長となった川口氏は、組織で動く社内で起こりうる問題に直面することとなった。
S.Kコーポレーションでは当たり前に行われていた部門間でのフォロー、助け合いの風土がダイソウ工業にはなかったのである。
製造業の分業化の弊害ともいえるこの状態に「なぜ同じ屋根の下で起こっている問題に手を出さないんだ」と不信感を抱いた川口氏。そのことが、川口氏に企業は人で動き、人が作っていくものであるということを再認識させた。
したたかでしなやかな企業をつくる、その理念を貫き、同社を真に強い組織へと成長させるため、現在、川口氏はテクノ経営のコンサルタントとともに「会社をけん引する次世代の管理者教育」という新たなチャレンジに取り組んでいる。

 
「組織をもっと活性化し、変化を余儀なくされる事業内容にも柔軟に対応できる組織にしたいと思っていました」
 

と語る川口氏は、若手の台頭は組織の活性化と強化のために必要不可欠な要素であると考えている。
人の行動と意識を変革し「活人化」をはかるテクノ経営の独自メソッド「VPM」をフレームとした今回の業務改善計画は、同社の求める会社像に非常にマッチするものだった。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、先が見通せない製造業という業界においても、川口氏の経営理念に対する思いは変わらない。
移ろいゆく時勢に対していつもしたたかに、そして柔軟に対応し成長していく会社づくりは、すなわち「そういった会社を形成する人づくり」に他ならない。
職人としてキャリアをスタートさせた若き社長は、技術の伝承のみならず、仕事に対するマインドを継承し、人をつくるという新たなチャレンジに取り組んでいるのである。

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