海外レポート

2022.05.20

これまでのタイ、これからのタイ

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執筆者:

藤井 秀文

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2020年3月に始まったCOVID-19の影響で、タイは2年近く鎖国状態であったが、昨年後半から、テスト的に観光客を受け入れ始め、今年に入って、ワクチン接種者の入国後の隔離期間の短縮、廃止、渡航前PCR検査の廃止など、徐々に開国に向け舵を切ってきた。
 一方、この鎖国期間中に、観光業は壊滅的打撃を受け、倒産や廃業などにより、都市部から地方・農村部への人の移動が見られた。パタヤやホアヒン、プーケットへも旅行に行ったが、賑やかだった街並みがまるでゴーストタウンの様で寂しく感じたのは、私だけではないだろう。
 生産工場では、感染拡大で部外者の入構制限、タイ国内の出張制限もあり、コロナ以前とは人の行動が全く変わってしまった。2020年4月の各社売上は通常の30%まで落ち、2020年後半期には逆に前年同月の130%近くまで売上が回復した業種もあったが、前半期に人員整理した企業では、人材不足により受注を受けられなかった。更に、2021年後半期になると、感染の再拡大で納期通りにいかなかったり、工場の課題が浮き彫りになってきた。
 売上減少、経費削減で日本人駐在員が減った企業では、タイ人管理者の育成が急務となり、経営者の皆さんが、落着かない様子だったのは記憶に新しい。「タイ人中心の工場運営」を標榜する企業も増えてきたが、実際にこの課題を解決する為には、時間が掛かる。
人を育てるというのは、一朝一夕には出来ないのは皆さんも理解できるだろう。
 「With Corona」で企業運営をしていく為には、今こそ、真の意味で、タイ人管理者を育成し、日本人による企業運営から、タイ人中心の企業運営になるような施策を打つべき時が来たと考えるべきだ。逆境をプラスに転じるタイミングと考えれば、新たなタイの国造り、企業風土改革も進むのではないだろうか!

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