コラム/海外レポート

2024.05.28

現場改善力を強化する

関連タグ:
  • 現場改革・生産性向上
  • 海外工場

執筆者:

藤井 秀文

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工場現場では、常に現場が改善されないと生産性や品質などが良くなっていかないというのが当たり前のことです。しかしながら、現場改善を進めていくのは、当然ながら現場で働いている作業者や、その現場のリーダーとなります。
これまで、アセアン地域で多くのお客様へ活動支援させていただいた経験から、どちらかというと、日本人駐在員が中心となって現場改善を進めている企業が多い様に感じます。
これらはTOPダウン活動に近く、現場が中心となった改善ではなく、色々なデータ収集や分析はスタッフや日本人駐在員が中心に行っており、現場は受け身で対応しているのが実情です。

ではどうすれば、『現場作業者や現場管理者が中心となって、能動的に現場改善を進めていくのか?』ですが、現場の作業者や現場管理者は、問題について良く理解しているけれど、彼らが声を出す場所が無いというのがネックになっています。企業経営の方々からすれば、『いくらでも声に出す場面はあるだろう』ということだと思いますが、実際には、『声を出す』場所はあるものの、『何か言われたらどうしよう』『お前がやれ!』と言われることに対して、“面倒だ”とか“いやだな”という意識がはたらき、問題の指摘は消極的になり、現場作業者や現場管理者が改善の中心に成らないというのが、本当のところだと思います。実際に、支援先のお客様の会社で現場リーダーたちと話していると、こういう意見が出てきます。

現場リーダーたちは、そうしたプレッシャーが排除されれば、自由に意見を発して頂けるのは、過去のお客様の支援で経験済みですので、こうした場所や会合を与えることが出来れば上手くいきます。また、こういった場面は少人数で行うことが重要で、QCサークルや改善サークルで兼務していくなど、具体的な場面を作ることが重要と考えます。

次に、実際の現場改善力を強化する為には、やはり現場作業者や管理者が、改善の数をこなすことが重要で、この数をこなすことで現場の問題点や改善方法を学び、自ら問題を発見して、自ら改善をこなすことが出来るようになります。改善の問題点を出す方法としては、『気付きメモ』や『問題メモ』というような方法が最も有力です。
このメモでは、問題点や課題点のみの記入でよく、改善の具体的な方法までは書く必要は有りません。

皆さんの工場でも改善提案用紙等を使っているかと思いますが、提案するのは特定の方に限られているのではないでしょうか?これらは、改善に関る細々としたことまで記入しなければならず、面倒に感じてしまう様です。改善の手法をはじめ、成果や効果まで書かなくても良ければ、多くの作業者や現場管理者の皆さんは現場の改善したいことを書いてくれるようになってきます。
そして、実際の現場の改善において、作業者や現場管理者が中心となって進めて頂く為には、技術やメンテナンスがサポートとして進めていくことが重要です。現場の改善には現場の意見を反映して、現場が中心となって改善を進めることが、現場改善力を強化する早道と考えます。

ぜひ、こうした手法で、現場改善力を強化して頂ければと思います。自社で推進するのが難しいという企業様は、テクノ経営・TMCTのコーディネーターへご連絡頂ければ、具体的な推進方法についてご相談させて頂きます。