コラム/海外レポート

2024.09.03

言語の壁は高い

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数年前から日系企業様のタイ現地化に向けての動きがあるものの、現在においても依然として課題となっています。まだまだ運営は駐在員に委ねており、現地化に至っていない日系企業様は数多くあります。現地化に向けての施策として、社内でタイ人幹部の育成や業務改革を行って、駐在員を帰任させる動きがあります。その中で現地化を想定した日本人現地採用募集なども増えてきています。
現地採用募集では即戦力であることはもちろんのこと、タイ語が話せることを条件にしている会社が多くなってきており、以前と比べて現地採用の基準が変わってきました。そのため、タイ語の習得が必須となり、タイ語学校に通って勉強する人が、ここ最近では非常に増えているとのことです。タイ語を勉強するにも大きく二つのタイプ、「会話のみ学習」と「会話+読み書きの両方学習」があります。本来、外国語を勉強するときは、会話も読み書きも両方学習しますが、タイ語の場合は、「会話のみ学習」という人がとても多いそうです。理由は、日本人にとってタイ文字は難易度が高く、挫折する人が多いためで、「とりあえず、会話ができれば……」という考えに至っているようです。
海外の現地スタッフと一緒に仕事をする上ではコミュニケーションが必須で、会話をして意思が統一されたと思っても、結局伝わっていなかったという経験は誰にでもあると思います。タイ語は、こういった状況を生み出してしまう難易度の高さがあり、タイ人幹部が確保できないことと合わせて、現地化が進まない要因のひとつになっています。そう考えると、世界的にも難易度が高いと言われる日本語をマスターし、通訳ができるタイ人には頭が下がる思いです。