1 生産管理に関わる問題
製造部門と比べて、属人的なスタッフ業務は、仕事のムダ・ムラが発見されにくい傾向があります。生産管理という業務についても、負荷を考慮せず無理な計画を立ててしまう、品質や納期的な問題が頻発する、頻繁な仕様変更でスケジュールが遅れる、問題のリカバリーのために残業が常態化、工場に余力があるのに外注に依存している、など数多くのムダが発生しているものです。たとえばこんな問題が発生していないでしょうか。改めてチェックしてみてください。
2 生産管理とはマネジメントである
生産管理について、広辞苑には「企業経営において、生産の予測・計画・統制など、生産活動全般の適正化を図ること」とあります。
しかし、私は、納期や品質などの顧客要求に応えると共に「経営資源を効率的に運用し、売上を増やし、利益を上げる」ことが生産管理の「機能」であると思います。
生産管理の本質は、コントロールではなくマネジメントにあります。現在の状況を踏まえ、人(時間)、設備、材料・部品をいかにムダなく運用し、かつ最大の効果を出すかを常に考慮し、適正な負荷投入や生産進捗管理をはかりながら、現場の支援や他部門と連携して業務を進めることが必要です。
3 効率化がゴールではない
どんなミッションにも必ず目的と手段があります。生産管理をはじめスタッフ業務の改革では、この目的と手段を履き違えないことが大切です。目的とは求めるべき機能、手段とは具体的な業務となります。
スタッフが行っている業務(手段)に関して、その目的である機能を問うてみると答えられない場合が少なくありません。以前は、目的をもって行っていた業務であっても、いつしか業務を行うことが目的となってしまい、環境が変化し本来の目的を失ってしまった場合は、その業務を行うこと自体ムダです。また、その部門の機能として行うべきことがあっても、それを実現する業務をやっていなければ、本来やるべきことが出来ていません。まず、業務改革を行う上で、部門や会社としての機能と業務を整理し、それらが目的と手段の関係で繋がっているかを確認することが必要です。
目的のない業務は無くし、目的以上の事を行っている場合は、その目的に見合った内容の業務までスリム化することで効率化が行えます。しかしながら、これがゴールではありません。この効率化で生み出された余力時間を一人二人と人単位での余力にしていきます。そのためには、業務の標準化を行い、さらにはマルチスキル化が必要になります。
そして、創出された人員を本来やる必要があるが出来ていない機能(1.で挙げた問題を起こさないための機能)を実現するための業務に活人化し、それらの成果が出ているかを指標で確認します。業務改革の目的は、この活人化による経営数値に繋がる指標の向上でなければいけません。
業務改革の進め方を挙げておきますので、ぜひ一度ご検討ください。