TOYOX ASIA（THAILAND）CO., LTD.（以降トヨックスアジア）では、創業後間もない2015年に弊社コンサルティングを導入いただいた経緯がありました。そして前回のコンサルティング終了から数年が経過し、再びコンサルティングのご検討を進められる中、日本本社よりトップが来タイされ弊社のオフィスへ直接ご訪問いただき、2回目のコンサルティング導入にあたって現在のトヨックスアジア様の状況を1日工場診断で分析することになりました。

【背景と課題】
2回目のコンサルティング導入にはトップの強い意向が反映

　岡田氏）当社は2013年の創業ですが、その2年後の2015年にテクノ経営さんのコンサルティングを導入しています。今回2020年からテクノ経営さんに2回目のコンサルティングをお願いすることになった背景には、この前回のコンサルティングに対するトップの評価が大きく影響しています。
　トップからは前回から数年が経過し、「強い会社」の実現に向けて、特に現地のタイ人スタッフの人材育成によるレベルアップを図るため、もう一度今のタイミングでテクノ経営さんに依頼してはどうかという話があり、2019年11月に日本からトップが来タイした際、私も一緒にテクノ経営さんのオフィスを訪問させていただき、ご相談の上で1日工場診断を受けることになったのです。
　診断に際しては、2023年頃までにタイでの生産品目を増やして、売上を1.7倍程度まで拡大し、生産性向上、現地化を図りながらコストダウンによる利益体質を構築したいというトップの要望をお伝えし、それらの実現に向けた視点で診断を行っていただきたいとお願いしました。
　また前回のコンサルティングは創業後間もない時期でしたが、その頃から比較すると現地スタッフのレベルも向上しており、今回のコンサルティングでは自主性にポイントをおき、「自主的に考え、行動する」という更なるレベルアップにより、ローカライズをもっと進めていくことも指導を通じて実現したいと考えていました。
　1日工場診断当日は非常にスムーズに進めていただいたという印象で、その後の提案報告会ではまとめていただいた資料を拝見し、さすがに現場経験の豊富なコンサルティング会社だなという感じを受けました。現在ご担当いただいている久保さんが簡潔にまとめていただいた資料をもとに、大変わかりやすく説明いただき、その提案時から現在に至るまで、当社としては久保さんに大変満足しています。
　12月24日に診断を受け、提案が翌年の1月末で活動自体は2月からスタートしました。トップの強い意向もあったのですが、診断、報告という流れの中で、私たちとしても充分納得のできる内容だったため、すぐに指導を受けようということになり、テクノ経営さんによる2回目のコンサルティングを導入することが決まりました。

【選定と導入】
タイでの指導経験が豊富なコンサルタントによる人材育成が大きな成果に

　
　西田氏）今回の活動は2020年2月から2021年1月末までの1年間で実施予定だったのですが、コロナ禍で活動が出来ない時期があったため、3月末までの期間に変更となりました。
　現在活動も終盤に差し掛かる中、久保さんには現場で問題発見ができる人材育成をテーマに指導していただいているのですが、これが一つの成果として実を結びつつあります。
　タイ人は日本でいう「指示待ち族」というような人が多くて、自ら考えて動くという国民性ではなく、逆に言われたことは素直に聞いて行動するという国民性でもありません。
　その点において久保さんはタイに長く駐在されているため、タイ人の気質、国民性ということをよく理解されていて、それを前提としながら自分達で問題を見つけて、それを改善していくという企業風土をつくるための人材育成をしていただいています。
　久保さんのコンサルティングをベースに日本人スタッフがそのように仕向けて仕事をさせることで、タイ人は自分達に任せてもらったという喜びを得て、これまでより積極的に「自分はこう思うのだが、こんなことをさせてもらえないか」というような発言をすごくするようになってきました。金額換算がしにくい部分ではありますが、私はこれが今回の活動の一番の成果だと考えています。
　また具体的な経営効果としても歩留まりに対して、一昨年と比較してここ1年の活動の効果が実際の数値として出ており、その他の工場運営における色んな指標においても、昨年比で全ての項目がよい結果となっています。この点についても久保さんには大変感謝しています。

テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。

(公開日：2021年3月12日)