美建工業株式会社の主力工場である三次工場を始めとした各工場では、これまでトップダウンの指示による製造技術が歴代受継がれて来ましたが、ものづくりの基本である5Sの考え方や生産効率の目安となる数値的指標が無かったため、生産性向上への取組みを進めることが困難な状況でした。また今後不確実性が高まる環境において、経営に貢献する生産部門を導くマネジメント人材の育成も急務となっていましたが、従業員の年齢構成に問題があり、本来次世代の工場長を任せるべきミドル層が抜けていたため、いかにして若手人材の引き上げを行うかが大きな課題となっていました。
【背景と課題】
生産性向上の取組みを推進するために必要な5Sと数値的指標が欠如
高田氏)
コンサルティング導入前の三次工場は整理整頓が出来ていないため、どこに物があるのかわからないような状況でした。また生産効率が良いのか悪いのかを判断できる明確な指標もありませんでした。
これまで専門的な指導者がいたわけでもなく、創業者が示したやり方を歴代受継いでいくスタイル、いわゆる我流だけでここまでやってきたのですが、自分としてはどこかで当社のものづくりのスタンダードをつくる必要があると考えていて、この課題を何とか解消しないと、これからの工場運営は成り立たないという危機感を持っていました。
三次工場では以前から生産性が問題視されていたのですが、当社には生産性向上のためのエキスパートがいないため、生産性向上のために何をどうすれば良いのか全くわからない状況でした。これらを踏まえて外部のコンサルタントに入ってもらい、ものづくりのスタンダードを一から勉強することが必要なのではと考えていました。
高野氏)
2018年の夏に広島県で大きな災害があって、今後災害特需への対応が予測される中、三次工場の状況に手詰まりを感じていました。
一人ひとりは一生懸命やっているのですが、その努力が報われるほどの業績にはなっていませんでした。また時代を反映したものですが、以前は少品種大量生産だったものが、お客様からの要望を受けて、小ロットで多品種の新製品をどんどん導入していくことが必要となり、色んな製品を一つのラインで作るような複雑な状況となっていました。
ちょうどその頃は主力工場としての役割を大和工場から三次工場へと移行している途中で、私の印象では当時の三次工場は一人ひとりの動きが空回りしていて、全体としてのまとまりがない状況でした。そのような時にタイミング良くテクノ経営さんから1日工場診断というシステムの案内があったため、当時の三次工場長とも相談の上で診断を受けることにしたのです。
【選定と導入】
1日工場診断の結果を基にした提案に大きな魅力を感じコンサルティング導入を決意
高野氏)
当日はずっと付いていたわけではないのですが、コンサルタント2名とコーディネーター1名の方に工場内の各所を見ていただきました。やはり自分達が普段見ている中では気がつかないような指摘が沢山あって、例えば現場の従業員が自分の気付きを箱の裏にメモ書きをしていたのですが、これではせっかく個人で得た情報が全員で共有できていないとの指摘がありました。
またそれまでは私自身も5S活動が生産効率の改善につながるとはあまり思っていなかったのですが、5S活動をしていくことでおのずと生産効率化につながるし、従業員への意識付けにも非常に重要という指摘もあり、そのあたりが当社には一番抜けている部分だと感じました。
また生産効率の改善は結果であって、まずは従業員の教育が必要であり、各自の意識レベルが上がれば、生産効率も上がっていくということが提案内容に書いてあり、色々お話をする中でテクノ経営さんのコンサルティングに魅力を感じたため、ぜひこれを導入して取組みたいと思い、当時の三次工場長とも相談して、費用面とコンサルティングに対する従業員の受け入れという2つの側面の検討をした上で、最終的に社長の了承を得てコンサルティングを導入することが決定しました。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2021年4月1日)
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【工場診断事例】美建工業株式会社様
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