電子基板に導通穴をあけるPCBドリルの分野で世界トップクラスのシェアを誇る同社では、自働化が進む製造現場から移した間接人材を、いかに間接部門で利活用するかが更なる成長へのカギになると考えていました。そんななか、間接部門の生産性を向上させる業務改善の具体的なプランが見えないという課題を抱えていました。
【背景と課題】
間接部門の働き方改革実現には、生産性向上が最大のポイントだった
新潟県長岡市に所在する当社長岡工場では電子回路基板用超硬ドリル(PCBドリル)を主力製品として生産しています。1963年に日本で初めてこのPCBドリルの製造・販売を開始して以来、独自の生産システムから構築する技術力の高さと品質の優位性でリーディングカンパニーとしての実績を重ねてきました。
2019年5月にテクノ経営のセミナーを受けたのが1日工場診断を受けるきっかけです。その頃は、社内で働き方改革に本格的に取り組もうと考えていた時期でした。その中で社員の待遇改善をしていかないといけないのですが、生産性を上げないと継続的な社員の待遇改善はできません。今までは製造現場の業務改善に注視してきたのですが、現場は自動化が進んでいて、生産性を上げるためにさらに自動化を進めると現場はほとんど人がいない状態になります。自動化が進み、現場で働いていた人材が間接業務に移行しますので、業務改善の目線が間接業務に移るわけですが、間接部門の生産性向上とはどう取りくめばいいのか、そもそも定量的に測れるものなのか、まったく進め方が思い浮かばなかったのです。そういう経緯でまずはセミナーを受けました。講演テーマも間接業務の生産性向上ということで当時の課題にぴったりの内容でした。
セミナーでは間接業務の生産性をどう測り、どう改善していったらいいのか、かなり詳細に語られていて「これは相当使える手法だな」と思いました。講演内容で特に印象的だったのは、テクノ経営のコンサルティングが、業務改善をした後にそれをどう活かしていくのかまで踏み込んだものだったことです。活人化という言葉もその時はじめて知りました。これからの工場は間接業務を増やし、販売支援やリサーチなどに活人していかないといけないというベクトルが見えてきました。
ただ、間接業務の改善を実際に進めていくとなると、私たちだけでは相当難しい。ですので、コンサルティング導入を経営側にお願いするための資料をつくる意味でも1日工場診断を受けようということになりました。
【選定と導入】
社内に広がる「働きやすく、成果が出せる職場づくり」への取り組み
業務の棚卸しをして2Sを行い、属人化を防いで作業を標準化していくなど、流れはセミナー受講の時点で理解はしていましたが、診断結果を見て、より具体的な進め方が明確になりました。
診断結果と改善の提案を見た感想としては、私たちでは到底考えつかない非常に面白い手法だなと感じました。間接業務についても、こんな明確な指標を作ることができるんだなと思いました。
全体的な業務改善を行うことが目的でしたので、個別のテーマに絞って取り組むことはなかったのですが、コンサルティング対象となる部門の特徴として女性スタッフが多く、彼女たちの残業が非常に多い状態でした。お子さんがいたり、家事との両立で仕事をしている方も多いので、女性スタッフの残業は減らしたいという思いがありました。
それについても業務の属人化に一因があることはわかっていましたので、今回コンサルティングを導入して、しっかりと提案された改善を進めていきました。
最初は生産管理部門中心の取り組みだったのですが、のちにオブザーバー的に参加していた資材課からも指標を作って本格的に取り組もうという声が上がりました。こういう社内での意識の広がり方も、今回、1日工場診断を受け、コンサルティング導入をして非常に良かった点だと思います。
活動名は「ノンコアダイエット130」という名称にしました。文字通りコアではない業務をダイエットし、生産性向上130%を目指そうというものです。各チーム、非常に達成率も高く、有意義な取り組みになりました。
今、他の改善内容でもテクノ経営のコンサルティングを導入して活動をしています。
これからもどんどん業務改善を進め、働きやすい工場づくりに取り組んでいきたいと考えています。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2022年1月26日)
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【工場診断事例】ユニオンツール株式会社様
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