1896年に大阪で創業し、印刷インキメーカーとして今や 20 を超える国と地域に展開するグローバルカンパニーへと成長したサカタインクス様。独自に展開する TPM 活動では様々な賞を受賞し、実績と成果を残していましたが新たな活性化を図りたいと考えていました。さらに DX を推進するにあたり、 IoT 導入にかかるコスト面での課題がどうしてもクリアできずにいました。
【背景】
TPM活動の活性化による生産性改善と低コストでのIoT導入を目指して
当社は印刷インキのメーカーとして、20を超える国と地域に展開するグローバルカンパニーです。印刷インキの技術を応用し、現在では機能性材料事業や新規事業にも積極的に取り組んでいます。また、地球環境の保護を最重要経営課題と認識し、あらゆる企業活動において環境に配慮した活動を行っています。国内の主な製造拠点は、東京工場、大阪工場、滋賀工場、羽生工場の4工場となり、滋賀と大阪で西日本エリア、東京と羽生で東日本エリアをカバーしています。BCPの観点から、どちらかで問題があったとしても補完できるような体制としています。近年ではグローバル化が進んで、インキ事業では世界第3位の売上高、その6割を海外が占めている状況なので、名実ともに大手のインキメーカーという位置付けになってきていると考えています。
自社でTPM活動を継続しており、様々な賞をいただきながらステップ展開を進めていましたが、世代交代が進む中で現場が少しマンネリ化しており、新しい風を入れないと、上手く活性化につながらないと感じていました。
一方で、社内ではDX化を強く打ち出してFA推進室を設置し、IoTの導入が進められたのですが、どうしてもコスト面での課題がクリアできませんでした。専門業者に外注してしまうと電力の見える化にしても数千万単位での導入コストがかかってくる。
省エネ活動においてもIoTの技術は大きく関わってくる部分なので、こうした問題が大きな課題でした。
そのような状況の中、以前からご提案いただいていたコンサルティングを導入するため、まずは一日工場診断を受けようということになりました。
【導入】
省エネ活動は10%以上のコスト削減 IoT技術者育成にも発展へ
コスト削減では主要設備の改善が主で、外回りの保全活動までは十分にできていませんでした。エアーやスチームの漏れがそこまで大きくないだろうとその当時は思っていたのです。それよりも、主要設備が壊れる方が金額的には高いので、そのメンテナンスに重点をおこうという動きでした。しかし、主要設備が改善されても他の設備でエネルギーロスにつながっている状況だったので、工場診断で一緒に現場を見て回ることによってその重要性に改めて気付くことができました。その後、全社をあげて省エネ活動に取り組んだ結果、東京工場では初年度の実績で2500万円の削減、じつに10%以上のコスト削減に成功しました。
IoTの導入では小型のコンピュータをはじめ、様々なデバイスを駆使した方法をご提案いただき、こんなにも安価にできるものなのかと驚きました。こうした新しい技術の導入はもちろん、それを扱う人材の育成も必要となりますが、そうした部分でもコンサルタントに指導していただいています。社員がコンサルタントと一緒になってマイコンを使いプログラムを構築していくことで、自分たちで作っていけるようになり、能力向上につながっています。
みんな「面白いですよ」と言ってくれるので、それはすごくありがたいですし、何よりこうした未来を担っていく人材こそが宝だと思いますね。これまでTPM活動において全体的な指導を受けることはあっても、部分的な内容に特化したコンサルティングを導入したことはありませんでした。すこし頭打ちしている状況を打破したく、今回のコンサルティングを導入したのですが、こうした専門分野に特化した指導を受けるというのは、今後も必要性の高い、効果が見込める取り組みになるかなと思います。
例えばSCMですが、サプライチェーンについて幅広く考えなくてはいけなくて。ただ新しいことなので自分たちだけで対応するには勉強になる反面、ものすごく時間がかかってしまう。そういった部分で専門性の高いコンサルティングを導入すれば、早く効果が出てくる可能性がありますよね。今後はますます、様々な取り組みについても考えて進めていかなくてはと思います。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2022年12月20日)
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【工場診断事例】サカタインクス株式会社様
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