1951年(昭和26年)に創業し、70年以上の歴史を誇る株式会社キッツ。
鋳造から加工、組立、検査、出荷など、自社内での一貫生産を強みに日本全国はもちろん海外へも幅広く販売し、世界有数の総合バルブメーカーへと成長を遂げた。
こうした中、トヨタ生産方式を源流としたNPSの更なる進化、また社内アンケートで顕在化したモチベーション低下の改善や未来を担う人材育成が課題でした。
【背景と課題】
部門間の連携不足や顕在化した
モチベーションの低下が課題
当社は1951年に創業以来、70年の歴史を誇り、バルブを中心とする流体制御機器の総合メーカーとして、日々の生活におけるライフライン、また日本の製造業の発展に貢献してきました。ここ数年はコロナ禍による様々な環境の変化、また世界情勢の影響による原材料価格の高騰など、先行きの不透明さが増した状況ではありましたが、こうした困難に立ち向かい、またキッツの持つブランド力、そしてお客様との信頼関係により、2022年12月期 売上高は前期比17.8%増の1,599億円で過去最高を更新することができました。今期は利益面でも最高益の達成を目指して取り組んでいます。
生産現場では、これまでトヨタ生産方式を源流としたNPSという方式を長らく取り入れ、売れた分だけ作る体制を整えてきました。ご提案いただいた1日工場診断は、30年間続けてきた中で慣れきってしまっていた部分を見直す良いきっかけになるのではと感じました。
また、生産本部内で実施した社内アンケートで、社員のモチベーション低下という結果が顕著に出ていて、これは何とかしなければならないと考えていました。エンゲージメントという言葉が出始めた頃でしたが、どうやって現場で働く社員達のエンゲージメントを高めたらいいのか、そしてボトムアップ活動の充実も図りたい。こうした様々な課題をクリアしていくために、コンサルティングの導入を検討しました。
【選定と導入】
総合効率は平均して25~26%アップ
皆の意識を変え、成長へ導く活動へ
1日工場診断の結果やご提案では、長坂工場が抱えている課題に対して、「イキイキしたキッツを実現する」というテーマに基づき、現場の状況を細部まで分析し、またその結果から具体的な解決方法や目指す姿、数値的な目標までを提示いただきました。特に、価値を生まない作業を削減し「余力時間を生み出す」という考え方が印象に残っていて、こうした新しい考え方を取り入れることで、活動の活性化はもちろん、モチベーションの低下も改善していけるのではという期待を持てました。これまでは内部の力で何とかしようと取り組んできましたが、さすがに限界があるだろうと感じていましたし、外部の新しい考え方を試してみるのもこの時期には必要なのではと思い、まずはやってみようということになりました。
品質関連や生産など、いくつかのグループに分けて活動を進めてもらいましたが、従来の製造ラインにこだわらず、もう少し幅を広げてグループの人員を構成したことで、いろいろな考えを持ち寄ることができ、また部門間をこえた人のコミュニケーションも活発化できました。現在、テクノ経営さんのコンサルティングを導入して2年目を迎えていますが、総合効率という考え方ではすでに平均して25~26%アップしている状況です。様々な改善活動を通じて、時間短縮などの取り組みを積み重ねることによって、数字として着実に効果が出ています。現場に出ると、各製造ラインでみんなが丸くなって話し合いをしている光景をよく見かけるようになりました。現場の環境も通路などを含めて整理や掃除が行き届くようになり、周りの方やお客様からも褒めていただく機会が増え、こうした目で見て分かる変化も大きな成果かなと思います。
あとは、活動のリーダー達の成長が著しいですね。管理職と同じように問題を意識し、対策を考え、対応を評価してPDCAを回していき、成果発表の場では200名以上の社員がいるところで発表を行うなど、経験を積んだリーダー達はずいぶん頼もしくなったと感じます。実際にライン長などの役職へ抜擢される人も出てきました。社内でもきちんと評価され、こうした人材育成に関しても非常に大きな効果を発揮してくれています。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2023年11月24日)
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【工場診断事例】株式会社キッツ様
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