創業75年以上の歴史を誇り、家庭用・自動車用・業務用を中心としたワックス・コーティングメーカーである株式会社リンレイ。「快適な居住空間をクリエイトする」という理念のもと、大ヒット中のウルトラハードシリーズをはじめ、業界のパイオニアとして成長を遂げてきた。現在、製造を一手に担う秦野工場は築50年以上となり、新工場リニューアルへと舵を切ったものの、どのように進めていくべきかが課題となっていました。

【背景と課題】
新たに発足したR100プロジェクトで
ようやく生産拠点の強化に

　1944年(昭和19年)の創立から75年以上にわたって培ってきたワックス・コーティング技術は、「快適な居住空間をクリエイトする」という理念のもと、家庭やオフィスをはじめ、病院、空港、鉄道、ショッピングモールなど、幅広い領域で活用されています。業界のパイオニアとして、今では当たり前になったビルメンテナンス業をはじめ、自動車関連のケア用品、近年ではこれまでのノウハウを結集した住宅用強力洗剤のウルトラハードシリーズが大ヒットとなり、非常にご好評いただいています。

　現在、これらの製品は秦野工場で一手に製造しておりますが、築50年以上が経ち、老朽化をはじめとしたさまざまなインフラ設備の問題が発生していました。こうした問題になかなか着手ができない状況の中、100年存続する会社をめざして立ち上がったR100プロジェクトの中で、「工場は大丈夫なのか？」という声が他部署から上がりはじめ、会社としてもようやく工場のリニューアルへ舵を切ってくれました。

　千載一遇のチャンスではあるものの、いざリニューアルへ向けて活動を進めようとしても、どこから手を付けていいのかまったくわからず、手探りの状況でした。そんな中、テクノ経営さんの『老朽化国内工場の再構築』というセミナーの案内が目に留まり、まさにという内容でしたので視聴させていただきました。こうして、まずは現在の工場をありのまま見てもらおうとなり、１日工場診断をお願いすることになりました。

【選定と導入】
印象に残る指摘だった1日工場診断
活動１年で徐々に意識が変わり始めた

　１日工場診断では、ありのまますぎて、とにかくコテンパンに指摘いただいたと記憶しています。ただ、それが逆にありがたかったですし、一緒にやっていただこうと思ったきっかけにもなりました。『事業の伸びに工場がついていけていない』と指摘いただいたのですが、その言葉がとても印象的で、まさに自分たちの現状を一言で言い当てていただきました。

　活動開始後は、新工場のリニューアルに向けて、まずは全員参加で問題の洗い出しを実施しました。そして、今できるものからすぐに始めなさいというご指導をいただき、取り組んでいます。やはり、現状の問題を解決してからでないと、結局は後戻りするだけだと実感しました。当社の特長でもあり、悪いところでもあるのですが、どうしても超変動多品種みたいな部分があり、活動当初は理想像と現実とのすり合わせに苦労しました。

　現在、コンサルティング活動の導入から約１年が経過した段階ですが、徐々に変化も感じています。全員が全員ではないのですが、それでも志ある中間層もしくは若手たちの中で、だいぶ意識が変わってきたなと思える人材がけっこう出てきているという実感があります。工場の外身だけではなく、中身をどう改革していくのか、この部分にものすごく力を入れて指導いただいており、それがプロジェクトに関わるメンバーへだいぶ浸透してきているのだと思います。すごく救われたと感じたのは、『忙しい時は活動を進めるのではなく、維持すると置き換えればいい』とアドバイスいただいた時。これまでそんなふうには考えたことがなかったので、とても助かりました。

　この取り組みは、全従業員で達成しなければ意味がないと感じています。また、良くも悪くも長年培ってきてしまった文化や歴史、仕組み、運用など、自分たちの努力では変えていけないものを一新する機会でもあると思います。新工場へのリニューアルの実現まではまだまだ長い道のりが必要になりますが、これまでの文化を変えて進化させ、そしてみんなで創り上げた新工場へと生まれ変わり、より良いものを作っていくという最終目標へ向けて、ブレずにやり遂げていきたいと思います。

テクノ経営ウェブソリューションズでは今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。

(公開日：2024年9月20日)