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三菱樹脂株式会社様

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全社在庫削減プロジェクト推進

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 本ページでは、三菱樹脂株式会社様に対するコンサルティング実績をご紹介しています。
 リーマンショックの影響による販売の低迷、増え続ける在庫がキャッシュ・フローを圧迫する。積極的な投資を促進させる 目的で組織横断的な在庫削減プロジェクトが始まった。コンサルティング導入の目的はスピード!改革を束ねるSCM推進部に 取材させていただいた。
(※ASAP 2012年 No.1より抜粋)

SCM推進部 部長 青木 謙一氏

(左)SCM推進部 部長 青木 謙一氏
(中央)テクノ経営総合研究所 川合 信宏
(右)SCM推進部 担当部長 井澤 孝氏

業績向上や体質強化を目指す際の様々な取組みが考えられる中で、「在庫」に焦点を当てられたのはなぜですか?

  在庫削減プロジェクトを発足させた目的については、第1にキャッシュ・フローを良くし、有効な資金活用、積極的な投資を促進させることです。 契機の一つとなったのは、2008年9月のリーマンショック発生です。その影響で当社でも販売数が急速に減少し、損益の不安から、在庫の増加に 逃げてしまうということがあり、在庫が膨張傾向になってきました。そして、同年の12月に至っては多くの在庫量を抱えることになってしまいました。 社長方針で個々の職場で在庫削減の活動が始まりましたが、翌年の1、2月になっても在庫は容易には減りません。そうこうするうちに2009年の 一年が過ぎて、在庫量は上下するのですが、全社的には、抜本的な対応ができず推移している状況でした。SCM推進部としては、当初、各事業部の 数値を集約することが中心でした。その後、2010年の9月になって、翌年の3月までの半年間の目標値を設定して進捗することとしましたが、 数値をまとめるだけではなく結果を出すために、組織横断的に行動を進める必要性を強く感じました。そして、昨年(2011年)1月から正式な形で、 全社的な在庫削減プロジェクトを開始することにしたのです。

SCM推進部の成り立ちや役割を教えていただけますか?

  過去からいろいろな変遷を経て、現在の形に成ってきているのですが、SCM推進部の成り立ちは、物流、購買、それから情報システム含めて、 当社全体のSCMを継続的に改善ができる組織として発足いたしました。合わせて、それとは別に現場改善という機能を、工場側に持っていました。 広い範囲での取組みができるような組織としてスタートしています。SCM推進部の機能は、全社に対して、横串を通した改善・改革活動を推進する 部署であることが重要だと思っております。
  当社の場合、2008年に4社1事業が一緒になっていますから、やはり文化の違いがでてきますよね。これまでその中で活動を推進していくために、 SCM推進部として、いろんな活動に対しても、名称を付けて活動を重ねてきました。例えば、ベスト・プラクティスを目指す活動としてBP-5と いうのがあります。これは5社が一緒になっていることから、そのような名称にしました。CHと称する、コストハーフ活動も推進しています。

全社在庫削減PJを推進していくための、基本的な考え方についてお聞かせいただけますか?

  プロジェクトをスタートするときは、「このままではなかなか在庫が減らない」との危機感から発足させました。ですのでプロジェクトを やって業務が、大変になると言ったようなやらされ感はありませんでした。
  当社の場合、60以上のビジネスユニットがあり、多くの組織を横断的にコントロールする大規模なプロジェクトとなりますから、進め方に ついては、いろいろと工夫を行いました。まずは変化を創る。プロジェクトをスタートさせるというのは一つの変化のきっかけです。
  今回のプロジェクトについては、全社に大網をかけて全体を引っ張っていく。その上で個別に重点支援を実施していくビジネスユニットを選定して、 推進させる方法をとりました。その他は準支援、都度支援とかSCM推進部として、一律に進めるのではなく、状況に応じて区別して推進していく 方法としました。キックオフを行うまでに、短期間のなかで、事務局として各事業部と個別に数回にわたり調整を実施し、全事業部のベクトルを あわせた中で活動のスタートを行うことができました。

プロジェクトの推進に外部支援の必要性を感じられたのは?

  外部コンサルに求めるところ、それは第1にスピードです。それと大きな組織全体を束ねて促進していくためにも必要だと考えました。 活動に時間をかけて推進させ、各事業部に対する支援も個別での対応であれば、SCM推進部のみでも可能と考えますが、短期間で、全社に 大網を張って推進する中で、各ビジネスユニット個々でも確実に成果を上げるために、今回外部の活用を決定しました。
  特に今回は、コンサル会社のそれぞれの得意分野で持ち味を存分に発揮して貰う目的で2社のコンサル会社に協力いただくことにしました。 御社の方はモノ造り改善、個別のビジネスユニットの改善実行支援をお願いする方向とさせて頂きました。コンサルのノウハウを自分たち SCM推進部でも吸収しようという狙いもあります。

複数のコンサル会社がある中で、テクノを今回ご採用いただけた理由を教えていただけますか?

  複数のコンサル会社と面談する中で、今回のプロジェクトを推進していくコンサル会社の1社を、テクノ経営さんに決めたのは、 まずは人です。プレゼンを含め、面談の場面で感じたことですが、表面上や形だけでなく、「やってやろう」「一緒にやっていこう」との 熱意と自信を持って、更にこれまでの経験を踏まえて、経験と実績に裏付けされた思いを感じました。
  その上で、一緒にやっていくためには、やっぱり相性もあると思います。やってみないとわからないところもあります。でも、 結婚するのと一緒でパートナーですから、やっぱりその相手との相性は、一番大事じゃないかなと思っています。その中で選定しました ので現在、次のステージに行こうとするときにも、私は上手く行っていると思うんです。
  過去にコンサルでかなり痛い目にあっている事業部があり、その事業部にも一緒に支援して貰っていますが、最近では事業部の コンサルに対する考え方も変わり始め、活動も回りだしたと感じています。

本社 三菱樹脂ビル 2F受付

現在の在庫削減プロジェクトの進捗状況はいかがでしょうか。

  昨年の、1月末に全社のキックオフ大会でプロジェクト活動をスタートさせましたが、その約1ヵ月後に震災が発生し、 活動を中断せざるを得ない状況となりました。当初、4・5・6月を中断して、7月に再開したかったのですが、震災に加えて、 電力の関係で在庫積み増しをやらないとお客様に迷惑をかけることも想定されたことから、やむを得ず9月からの再開としました。 中断の間も、事務局として数値の推移や個々のビジネスユニットへの簡易診断を継続し、比較的スムーズに活動の再開ができたと 思っています。
  現在は、2013年3月末の目標設定、それに向けての具体的アクションプランが出揃いました。12月の第2回全体会合を 通じて全社で意思統一を図り、今後は、アクションプランに沿った実行を加速させる活動を展開していきます。経営トップの思いを 各事業部・ビジネスユニットに展開し、ベクトルを合わせながらスピードを伴って推進していきたいと思います。

これからのプロジェクトの課題とそれに対する方向性はいかがでしょうか?

  在庫削減プロジェクトは、目標をしっかり持って実行していきますが、ただ目標を立てただけでは、絵に描いた 餅になってしまいます。具体的にどのようにして目標に到達することができるか、そのためには、やはり目標に向かって、 引っ張ってくれる人がいるかいないかで全然ちがうと思っています。
  SCM推進部としては、各事業部に積極的に働き掛け、いろんな仕掛けを行いながら節目、節目の目標値を達成させて いきたいと考えます。大きな組織ですが、関係者を一同に集めて定期的な発表会も実施していきます。これからもっと様々な 問題が顕在化すると思いますが、逆に問題があるから面白いとも言えます。小さなスパイラルを確実に回し、着実に効果を 出して、皆で共有して次につなげていきたいと考えます。
  一蓮托生との思いをお互いに持って、活動を盛り上げて、目標を達成させましょう。

このような話をお聞きし、我々も「今まで以上にお役に立ちたい」との気持ち強く持ちました。本日のインタビューご対応、ありがとうございました。



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